人事顧問とは?人事コンサル・社労士との違いや料金相場、活用方法を解説

人事顧問は、採用や人材育成、人事制度、組織づくりなど、人・組織に関する課題を支援する外部の専門家です。社内だけでは解決が難しい人事課題について、豊富な実務経験や専門知識をもとに助言や支援を受けられます。
本記事では、人事顧問の役割や仕事内容、人事コンサル・社労士との違い、料金相場などを解説します。活用するメリットや選ぶ際のポイントも紹介しますので、導入を検討する際の参考にしてください。
✓この記事でわかる内容
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人事顧問とは?

人事顧問とは、人事領域の知識や経験を活かし、企業の人事・組織課題を継続的に支援する外部の専門家のことです。採用や人材育成、人事制度の設計、組織開発など、専門分野に応じて幅広い課題の相談に対応します。
例えば「必要な人材が採用できない」「評価基準が曖昧で社員から不満が出ている」といった悩みに対し、経営方針や社内の状況を踏まえて改善策を検討します。人事の専門人材がいない企業や、人事担当者だけでは判断が難しい場面で、相談相手として活用可能です。
支援内容は契約によって異なり、助言が中心になる場合もあれば、制度の設計や施策の実行、運用の定着まで支援する場合もあります。
人事顧問と人事コンサル・社労士・人事代行の違い

人事課題を外部に相談・委託する方法には、人事顧問のほかに、人事コンサルや社労士、人事代行があります。支援領域には重なる部分もありますが、主な役割や依頼する目的は以下のように整理できます。
| 項目 | 主な役割 | 支援領域 | 向いている企業 |
|---|---|---|---|
| 人事顧問 | 継続的な相談や意思決定の支援 | 採用や人材育成、人事制度、組織づくりなど | 人事課題を継続的に相談できる相手がほしい企業 |
| 人事コンサル | 特定の課題に対する分析・施策の設計・実行支援 | 人事制度改革や組織改革、採用改善など | 明確なテーマについて集中的に改善したい企業 |
| 社労士 | 労働・社会保険の手続きや人事労務の相談対応 | 社会保険手続きや就業規則、労務管理、人事制度など | 法令に沿った労務管理や手続きを進めたい企業 |
| 人事代行 | 人事業務の実務対応 | 応募者対応や面接日程調整、給与計算など | 人事業務を担う人手が不足している企業 |
人事顧問と人事コンサルの違い
人事顧問には、日々の人事課題を継続的に相談でき、対応方針や施策について助言を受けられます。
一方、人事コンサルは、評価制度の刷新や組織改革など、特定のテーマについて分析から施策の設計・実行までを支援するケースが多いです。例えば、人事施策の優先順位から相談したい場合は人事顧問、評価制度の改定を期限内に進めたい場合は人事コンサルが選択肢になります。
ただし、両者に明確な線引きがあるわけではありません。人事顧問がプロジェクトを支援する場合や、人事コンサルが継続的な相談に応じる場合もあるため、具体的な支援内容で判断しましょう。
人事顧問と社労士の違い
社労士は、労働・社会保険に関する国家資格を持つ専門家です。社会保険の手続きや就業規則の整備、労務相談などに対応し、人事制度の設計や採用・育成を支援する場合もあります。
人事顧問は、実務経験や専門知識をもとに、人材戦略や組織づくりなどを支援します。社労士が人事顧問を務めることもあるため、両者の支援領域は明確に分かれているわけではありません。
自社の課題に合った支援を受けるには、資格の有無に加え、得意分野や支援実績を確認することが大切です。手続きや労務管理は社労士、採用戦略や組織づくりは別の人事顧問に依頼するなど、役割を分担する方法もあります。
人事顧問と人事代行の違い
人事代行は、応募者への連絡や面接日程の調整、給与計算など、人事に関する実務を外部へ委託するサービスです。社内担当者の業務負担を減らし、必要な業務を進めるために活用します。
人事顧問は、課題の整理や戦略策定、意思決定への助言を中心に担うケースが多くなります。例えば、応募者対応の人手が足りない場合は人事代行、採用方針や選考方法を見直したい場合は人事顧問がひとつの選択肢です。
ただし、実務まで対応する人事顧問や、戦略設計を含む人事代行もあります。依頼時には、助言と実務のどこまで任せられるかを確認しましょう。
人事顧問が求められている背景

人事課題の解決には、採用や育成、評価などを幅広く捉える視点が必要です。しかし、社内に専門人材がいなかったり、日常業務に追われて改善に取り組めなかったりする企業もあります。
ここでは、人事顧問が求められている背景を3つ解説します。
✓人事顧問が求められている背景
背景①|人事課題が複雑化している
人事部門には、採用や人材育成、評価制度、配置、組織づくりなど、さまざまな課題への対応が求められます。これらの課題は互いに関係しているため、ひとつの施策を見直すだけでは解決しない場合があります。
例えば、採用人数を増やしても、入社後の教育体制や評価制度に問題があれば、早期離職につながりかねません。採用方法に加え、社員が定着し、能力を発揮できる環境まで見直す必要があります。
複数の課題を整理するために、人事全体を俯瞰し、改善の方向性を助言できる外部の専門家が求められています。
背景②|社内に人事の専門人材を確保しにくい
中小企業や成長企業では、人事の専門知識や豊富な実務経験を持つ人材が不足している場合があります。経営者や総務担当者が人事を兼任し、経験のない制度設計や採用方針の判断を担うケースもあるでしょう。
一方、CHRO(最高人事責任者)や人事責任者クラスの人材を正社員として迎えるには、採用に時間がかかったり、人件費の負担が大きくなったりするケースがあります。
人事顧問であれば、必要な支援内容や稼働量に応じて、外部の専門人材の知見を取り入れることが可能です。社内だけでは不足する知識や経験を補う手段として、活用されています。
背景③|人事担当者が戦略業務まで手を回しにくい
人事担当者が採用実務や労務対応などに追われ、中長期的な施策を検討する時間を確保できない場合もあります。目の前の業務をこなすだけで精いっぱいになり、育成計画や評価制度の見直しが後回しになりがちです。
事業を成長させるには、今の人手不足への対応に加え、今後の事業展開に必要な人材をどう採用・育成していくかを考えることも重要です。
人事顧問に課題の整理や施策の立案を支援してもらうことで、社内担当者だけでは後回しになりがちな育成計画や制度の見直しにも取り組みやすくなります。
人事顧問に依頼できる主な業務

人事顧問の主な支援内容は、以下の4つです。
- 採用戦略の策定
- 人事制度・評価制度の設計
- 人材育成・研修体系の構築
- 組織開発・人材配置の支援
対応できる業務は顧問の専門分野や契約内容によって異なります。自社の課題と照らし合わせながら、それぞれの支援内容を確認しましょう。
業務①|採用戦略の策定
人事顧問は、事業計画や組織課題を踏まえ、採用すべき人材像や人数、採用方針の整理を支援します。「応募が集まらない」「求める人材に出会えない」といった悩みに対し、採用活動のどこに課題があるかを検討します。
例えば、求める人材に合わせた、求人媒体や人材紹介、企業から候補者へ直接アプローチするダイレクトリクルーティングなどの手段選びです。
求人内容や選考フロー、面接での確認事項を見直し、応募者の確保から自社に合う人材の見極めまで、採用活動全体の改善を支援します。
業務②|人事制度・評価制度の設計
人事顧問は、社員の役割や能力に応じた等級の分け方、仕事の成果を評価する基準、給与や賞与の決め方などの整備・見直しを支援します。
例えば「上司によって評価がばらつく」「昇給・昇格の基準が分かりにくい」といった課題に対して、評価項目や判断基準を整理します。複雑すぎる制度は評価者の負担が大きくなり、運用が形骸化しやすいため、現場で無理なく運用できる制度を検討することが重要です。
制度の設計に加え、社員への説明や評価者向けの研修、導入後の運用改善まで支援する場合もあります。制度を実際の評価や処遇に活かせるよう、定着を後押しします。
業務③|人材育成・研修体系の構築
人事顧問は、新入社員や若手、管理職などに求める役割を整理し、それぞれに必要な知識やスキルを身につけるための育成方針を検討します。
具体的には、階層別の研修プログラムや、入社者が業務・職場になじむための受け入れ体制、管理職のマネジメント教育などの仕組みづくりを支援します。
「誰に、何を、どの順番で学んでもらうか」を整理することも役割のひとつです。
担当者ごとに教える内容が異なる場合には、教育手順や習得状況の確認方法を見直します。個人の経験に頼った教育から、組織として継続的に人材を育てられる体制づくりにつなげます。
業務④|組織開発・人材配置の支援
人事顧問は、組織体制や役割分担、部署間の連携を見直し、社員が力を発揮しやすい組織づくりを支援します。
例えば「特定の社員に業務が集中している」「部署間の情報共有が進まない」といった課題を整理し、改善策を検討するといった内容です。
また、社員のスキルや経験、適性を踏まえ、配置や異動についてアドバイスするケースもあります。離職が続いている場合には、社員へのヒアリングや調査結果をもとに、上司との関係や業務負担などの要因を探り、マネジメントや職場環境を改善していきます。
このように、人事顧問に依頼できる業務は幅広いため、自社の課題に合った専門知識や経験を持つ人材を選ぶことが大切です。
採用や人材育成、制度設計などに課題があるものの、社内だけでは対応が難しいと感じている方は、タクウィルプロをご検討ください。
タクウィルプロは、専門技術を持つ人材を1,400名以上擁し、すでに500社以上に活用されています。自社に必要な経験や知識を持つ外部人材の活用について、まずは相談してみてはいかがでしょうか?
人事顧問を利用するメリット

人事顧問を利用する主なメリットは、以下の3つです。
- 専門知識や豊富な経験を活用できる
- 複数の人事課題を横断して改善しやすい
- 必要な範囲で外部人材を活用できる
それぞれチェックしていきましょう。
メリット①|専門知識や豊富な経験を活用できる
人事顧問を利用すると、人事責任者やCHRO(最高人事責任者)などを経験した専門家の知見を、自社に取り入れられます。採用や人事制度、人材育成など、社内では経験が不足している領域について相談できる点がメリットです。
例えば、初めて評価制度をつくる際も、設計の手順や運用でつまずきやすい点について、経験に基づいた助言を受けられます。
自社だけで手探りで進めるよりも、判断の根拠を持ちやすくなり、試行錯誤の負担を減らせます。業務委託のため、専門人材を新たに正社員として採用する必要がありません。
メリット②|複数の人事課題を横断して改善しやすい
人事顧問には、採用や育成、評価、配置などの関係を踏まえた改善を相談できます。ひとつの問題に対し、ほかの制度や組織体制まで含めて原因を整理できる点がメリットです。
例えば、社員が定着しない原因には、採用時の認識のずれだけでなく、入社後の教育不足や評価への不満が関わっている可能性もあります。この場合、採用方法だけを変えても十分な改善は期待できません。
幅広い人事経験を持つ顧問に相談することで、複数の要因を整理し、どこから見直すべきかを判断しやすくなります。限られた人員や予算の中でも、優先順位をつけて改善を進められます。
メリット③|必要な範囲で外部人材を活用できる
人事顧問は、必要な期間や稼働量に応じて支援を依頼しやすい点もメリットです。人事責任者クラスの人材を正社員として迎えることが難しくても、外部の専門家の力を借りて課題解決を進められます。
例えば、制度の見直し中は打ち合わせの頻度を増やし、運用が安定した後は月次の相談を中心にするなど、状況に合わせた活用方法が有効です。
契約条件に応じて支援内容を調整することで、人事担当者を一度に増やさず、事業の成長段階や課題に合った人事体制を整えやすくなります。
人事顧問の料金相場

人事顧問の料金は、契約形態や支援範囲、稼働頻度によって異なります。ここでは、以下の2つに分けて料金の目安と利用場面を紹介します。
✓人事顧問の料金相場
同じ料金でも、相談のみの場合と実務支援まで含む場合があるため、依頼できる内容とあわせて確認しましょう。
月額契約
月額契約の料金は、月10万〜50万円程度がひとつの目安です。顧問の経験や専門性、支援範囲、稼働頻度などによって変動します。
支援内容には、定例ミーティングやオンライン相談、人事課題の整理、制度運用への助言などがあります。相談回数や対応時間、資料作成などが料金に含まれるかは、契約前に確認しておきましょう。
採用や人事制度、組織づくりについて、中長期的に相談したい企業に向いています。継続して関わってもらうことで、施策の実施後も状況を共有しながら改善を進められます。
スポット・プロジェクト契約
スポット・プロジェクト契約は、期間や支援内容を限定して依頼する形態です。単発の相談や、人事制度の設計、組織改革など、相談したい内容や解決すべき課題が明確な場合に利用されます。
料金は依頼内容による差が大きく、プロジェクト単位では50万〜300万円程度が目安です。短時間のスポット相談とは費用規模が異なるため、分けて考える必要があります。
継続契約の前に相談したい企業や、特定の課題だけ支援してほしい企業におすすめです。見積もりでは、成果物や支援期間、導入後のフォローまで含まれるかを確認しましょう。
人事顧問を利用する際の注意点

人事顧問を活用して課題解決を進めるには、依頼する目的や支援内容を事前に整理しておくことが大切です。利用する際は、以下の3点を確認しましょう。
✓人事顧問を利用する際の注意点
注意点①|導入目的を明確にしておく
人事顧問を導入する際は、何を解決したいのかを明確にしておきましょう。目的が曖昧なまま契約すると、定例相談を重ねても具体的な改善につながらず、費用対効果を感じにくくなる恐れがあります。
まずは「採用数を増やしたい」「評価制度を整備したい」「離職率を改善したい」など、自社の課題を整理します。複数ある場合は、どの課題から取り組みたいかも考えておくとよいでしょう。
課題の原因や解決策まで、事前に決める必要はありません。現状と期待する成果を顧問に伝え、優先順位や進め方を一緒に決めることで、具体的な行動につなげやすくなります。
注意点②|顧問によって得意分野や経験が異なる
人事顧問といっても、採用に強い方や制度設計の経験が豊富な方など、得意分野は異なります。経歴だけで判断せず、自社が相談したい課題に対応できるかを確認しましょう。
大企業で成果を上げた方法が、中小企業やスタートアップにも合うとは限りません。予算や人員、意思決定の進め方が異なるため、自社の状況に合わせて提案できる経験があるかが重要です。
過去の支援事例を聞く際は、企業規模や課題に加え、限られた人員や予算の中でどのような工夫をしたかまで確認すると、依頼先を判断しやすくなります。
注意点③|支援範囲を事前に確認する
契約前には、顧問に任せる業務と社内で対応する業務を具体的に決めておきましょう。役割分担が曖昧だと、依頼したつもりの作業が進まず、施策の実行が遅れるケースがあります。
例えば、評価制度を見直す場合、顧問が制度案や評価シートを作成し、社内担当者が社員への説明や運用を担うなど、作業ごとに担当を確認します。
あわせて、相談回数や対応時間、追加料金が発生する業務も確認しておくと安心です。合意した内容を契約書や業務範囲の一覧に残すことで、依頼後の認識のずれを防ぎやすくなります。
まとめ

人事顧問は、採用や人材育成、人事制度、組織づくりなどの課題を支援する外部の専門家です。社内に不足している知識や経験を補いながら、複数の人事課題を整理し、改善を進められます。
人事コンサルや社労士、人事代行とは支援領域が重なる部分もあるため、名称だけで判断せず、自社が必要とする支援を受けられるか確認することが大切です。
導入を検討する際は、解決したい課題と期待する成果を整理し、顧問の得意分野や支援実績、料金、対応範囲を確認しましょう。自社に合う専門家と役割を分担することで、日常業務と並行して、中長期的な人材・組織づくりにも取り組みやすくなります。
ただ、人事顧問の導入を考えていても、自社に合う専門家をどう探せばよいか迷う方もいるでしょう。採用や人材育成、制度設計などを支援する外部人材をお探しなら、タクウィルプロをご検討ください。
500社以上が利用するタクウィルプロには、専門技術を持つ人材が1,400名以上在籍しています。社内だけでは解決が難しい人事課題について、外部の専門家の力を借りることを検討してみませんか?
この記事の監修者

-
株式会社エスプール
ヒューマンキャピタル事業部 ニアバウンド支援部 部長
株式会社エスプール新卒入社。主幹事業である人材派遣事業を経て、ヒューマンキャピタル事業部へ配属。スタートアップ向け営業支援サービスの営業リーダー就任後、個人売上高3億円を達成。人脈を活用した大手企業開拓手法「ニアバウンド」を発信。
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