Web広告の主な手法と特徴まとめ
Web広告とは?
Web広告とは、インターネット上に表示される全ての広告のこと。表示される箇所は、Webサイトや検索結果画面、スマートフォンアプリの中、メール本文など、媒体によってさまざまです。
Web広告は、広告配信を行うユーザーを詳細にターゲティングできる「ターゲティング性」と広告を配信したユーザーの反応がわかる「インタラクティブ性」に長けており、IT化が進む中でその規模を拡大させています。
デジタルマーケティングにおけるWeb広告の位置づけ
デジタルマーケティングとは、Web上でユーザーに商品やサービスを購入するきっかけを与える働きかけや仕組みづくりを行うことです。
デジタルマーケティングの手法は、特定の検索キーワードでWebサイトを上位表示させるSEO対策や、スマートフォンアプリリリースして、ユーザーとのエンゲージメントを高める手法など多岐にわたります。
その中でWeb広告では、広告費用をかけて短期的に新規ユーザーを獲得する手段です。オウンドメディア以外の媒体に広告を掲載し、その商品やサービスを知らなかったユーザーにアプローチすることが可能です。
Web広告の利点について
近年、その需要が高まっているWeb広告ですが、どのような利点があるのでしょうか。それぞれ詳しく解説していきます。
少額のコストから始められる
まず、テレビCMなどのマス広告と比べて、少額から広告配信を行うことができます。
Web広告の課金形式はさまざまですが、決まった料金で特定のスペースに一定期間広告が表示される「純広告」や、表示された回数やクリックされた回数に応じて課金される「運用型広告」、成果が確認されて初めて費用が発生する「アフィリエイト広告」などがあります。
広告配信の目的や商材、配信希望先にもよりますが、いずれも数十万から広告配信を行うことが可能です。
ターゲティングが詳細に行える
Web広告の大きな強みの一つが詳細なターゲティングが行える点です。
ユーザーの住んでいる地域や年齢・性別だけでなく、検索履歴や閲覧履歴などから趣味・嗜好がわかったり、SNSであればフォローしているアカウントから興味・関心を判別し、ターゲティングを行うこともできます。
PDCAが回しやすい
Web広告を配信する場合には、広告が表示されたユーザーの中でクリックをしたユーザーの割合(クリック率)や、その広告経由で成果に至ったユーザーの割合(コンバージョン率)などの広告配信結果を知ることができます。
広告配信結果は、クリエイティブ別やターゲティング別に見ることができるため、効果的なクリエイティブやターゲティングのみを残すなどの精査を行うことで、効果的に配信していくことが可能です。
具体的な数値に基づいて次の施策を提案・実行していくため、
広告主としても納得のいくプロモーションができるでしょう。
Web広告の主な手法
Web広告の配信手法には、運用型広告や純広告などの種類があります。それぞれについて、詳しく解説していきます。
運用型広告
運用型広告とは、広告配信をを行う目的に応じて、入札額やクリエイティブ、ターゲット等を調整しながら配信する広告のことです。
前述の通り、Web広告ではクリエイティブやターゲティング毎の広告効果がわかるため、PDCAを回しやすいという利点があります。
広告配信を行う管理画面(ダッシュボード)で広告配信結果をリアルタイムで見ながら、数値を基にPDCAを回していきます。
SNS広告
SNS広告には、TwitterやFacebook、Instagram、LINEなどいくつかの種類があります。
特徴は、ユーザーがSNSに登録している年齢や性別情報、住んでいるエリアや学歴などによる詳細なターゲティングが行えることです。
広告はユーザーのタイムライン上に他の投稿と同列で配信され、ユーザーが広告をシェアすることも可能です。配信面に馴染むネイティブ広告のかたちで配信されるため、ユーザーは広告であることを身構えずに内容を受け入れやすいというメリットがあります。
DSP、アドネットワーク
DSPやアドネットワークは、複数サイトに一度に広告を掲載する手法です。
DSPとは、さまざまなデータを基に広告を表示させたい属性のユーザーをターゲティングして、広告配信を行う媒体です。
DSPが複数の媒体を束ねているSSPから広告枠を買い付けて、配信を行います。課金方法は、広告の表示回数ごとの単価を設定するCPM課金が多く使用されます。
アドネットワークはSSPのほか、自社で枠を取り扱っている枠に広告配信を行います。DSPのようにユーザーをターゲティングするのではなく、広告の配信面からユーザーの興味関心を予測して配信を行います。
広告費用は、ユーザーのクリックで広告金額が発生するCPC課金が主流です。広告を表示させても、クリックされなければ費用が発生しないため、CPM課金に比べて効率的に配信することができます。
純広告
純広告とは、広告を掲載する期間や金額が確定している広告枠です。広告メニューによっては、表示回数の最低保証があるものもあります。
広告効果を計測することが可能ですが、効果が悪くても途中で掲載を止めたり、返金を求めることはできません。そのため、広告効果をそれほど重視しないブランディングや認知拡大の目的で使用されることが多いです。
動画広告
動画広告は、テキストや静止画の広告に比べて、伝えられる情報量が多く、潜在層や低関心層に広く商材を認知させることにおすすめです。
動画広告には、大きく分けて2つの種類があります。
まず、「インストリーム広告」は、YouTubeなどの動画プラットフォームの最初や途中、最後にテレビCMのような形で放映させる広告です。動画には途中でスキップできるものと、スキップできないものがあります。
「インバナー広告」は、Webサイトやスマートフォンアプリのバナーの枠に動画を流す手法です。動画広告の需要が高まる中で、動画広告を配信可能な広告枠が増加傾向にあります。インストリーム広告ではアプローチできない、普段動画を視聴しないユーザーにもアプローチ可能です。
その他
その他の手法では、コンテンツに馴染ませる形で記事などを掲載する「ネイティブ広告」、目標とする成果を達成して初めて広告費用が発生する「アフィリエイト広告」、ユーザーへの何かしらの還元を行う条件で成果を達成させる「リワード広告」などがあります。
商材や広告配信の目的に応じて、プランニングを行うと良いでしょう。
Web広告代理店の選び方
Web広告の配信を行う際、広告代理店はどのように選ぶと良いでしょうか。いくつかのポイントに分けてご紹介します。
料率・価格で選ぶ
広告代理店を介して広告配信を行う際、広告費用は以下のような流れとなります。
広告主 → 広告代理店 → 媒体社
広告代理店は、マージンと呼ばれる手数料を差し引いて、媒体社へ入金します。手数料の割合は、代理店や配信する媒体によってさまざまですが、広告料金の10~30%といわれています。
広告代理店によっては、ある一定以上の広告配信を行うと大量出稿サービスがあったり、自社媒体を持っている広告代理店であれば安く掲載できることもあります。
ただ、いくら広告費用が安く済んだとしても、広告効果の合わない運用だったり、効果の合わないクリエイティブ提案を行う代理店では意味がありません。そのあたりの対応も含めて、代理店を吟味すると良いでしょう。
取り扱い媒体で選ぶ
広告代理店によって、取り扱いが多く得意な媒体と配信に慣れていない媒体があります。得意としている媒体であれば、効果のあるクリエイティブの傾向や効率的に配信を行うキャンペーン設計などのノウハウが蓄積されています。
もし、配信を行いたい媒体が決まっている場合には、その媒体を得意としている広告代理店を選ぶこともおすすめです。
媒体社の認定代理店資格で選ぶ
Googleには、代理店専門分野認定という制度があります。Google社は、この認定を代理店に与える条件として、Googleのさまざまな資格や運用実績やGoogle広告を利用した費用実績を課しています。
つまり、この認定を受けている代理店は一定の基準をクリアしたGoogle広告に精通していると言えるでしょう。
また、Yahoo!では、広告効果の最大化に向けてYahoo! JAPANの広告商品やサービスを活用し、広告主のマーケティング支援を行った代理店に対して、ダイヤモンド、プラチナ、ゴールド、シルバーの認定をしています。こちらもGoogleと同様に代理店を選ぶ際に基準の一つにすると良いでしょう。
Web広告以外の取り扱いプロダクトで選ぶ
Web広告に欠かせないのは、広告効果の測定です。広告配信を行った結果、「どのくらいのユーザーが入って来たのか」「ユーザーはどのくらい定着したのか」「広告費用に対してユーザーの購入金額はどのくらいか」などの分析を行うことで、次回以降の広告配信に生かすことができます。
そういった調査・分析を行う「広告効果計測ツール」を広告代理店側が紹介または提供してくれるかという点も代理店を選ぶ際のポイントとなります。
また、広告配信を行う目的に応じて、ランディングページの最適化を行う「LPOツール」や、エントリーフォーム最適化を行う「EFOツール」などのサポートがあるか確認してみましょう。
まとめ
今回は、Web広告の主な手法や広告代理店の選び方について紹介してきました。Web広告配信を行う際、大切なのは自社商材の特徴を理解し、広告配信の目的にあったプロモーションを行うことです。
これまで解説してきたことを基に信頼できる広告代理店を見つけましょう。