営業ノウハウをどう確立・共有する?チームの営業力向上のために
「チームの営業力を底上げしたい」「誰が営業しても一定の成果を得られるようにしたい」
こうした要望を実現するのが、営業ノウハウの運用です。
今回は、営業ノウハウを確立・共有する方法を解説します。
営業ノウハウを確立するメリット
営業ノウハウを確立するメリットは、主に次の2つです。
業務の属人化が解消される
営業の知見やプロセスが個人に依存している状態は、好ましくありません。
例えば担当者が変更になった場合、クライアントとのやりとりなどがこれまでと大きく変わると先方が混乱し、トラブルの元になります。
また、担当者の変更により営業の質が下がると、解約になる恐れもあります。
営業ノウハウを確立すれば、どの担当者でも同じ方法・質で営業活動が行えるため、担当変更や社員の急な退職などにも柔軟に対応することが可能です。
営業の質が均一化される
個人の営業成績にばらつきが出ている場合、営業担当がそれぞれ異なる方法で営業活動をしていることが原因として考えられます。
トップセールスの営業ノウハウを確立し、営業担当全体が手法を倣うことで、組織全体の営業の質が底上げされ、売上アップも期待できるでしょう。
各営業プロセスにおける営業ノウハウ
ここでは、各営業プロセスにおける一般的な営業ノウハウを紹介します。
見込み客のリサーチ
自社の商材に興味のある見込み客を、できるだけ詳細にイメージします。
ターゲットの属性や思考を想定する「ペルソナマーケティング」や、顧客が商材を認知し、購入するまでの道筋を検討する「カスタマージャーニー」など、さまざまな手法で見込み客のイメージの解像度を上げます。
アポイント
アポイントを獲得するには、見込み客にアポイントのメリットを感じてもらう必要があります。
そのためには、アポイント打診のトークスクリプト(台本)を用意する、短い時間で簡潔にメリットを伝える、見込み客の課題を引き出すなどの工夫が大切です。
ヒアリング
初回商談の場合は、多くの時間をヒアリングに充てます。
見込み客の課題を明確にすることで、今後の営業活動の方向性が定まります。
トップセールスはアイスブレイクや雑談によって、相手が発言しやすい空気を作ります。
また、なぜなぜ思考もよく活用される手法です。
「なぜそれが課題だと思うのか」「なぜ困り事が解決されないのか」など、さまざまな角度から課題を検証し、見込み客が抱える真の課題を発見します。
オファー
オファーは、過去に上手くいったスクリプトや資料をもとに行います。
また、「価格重視ならAプラン、効果重視ならBプラン」といった、選択肢を用意するのも重要です。
もし、オファーの時点で課題が明確になっていない場合は、課題を仮定してオファーを行う仮説提案が効果的です。
例えば、他の顧客が抱えている課題と解決策を紹介することで、見込み客自身も気付いていない課題を引き出せる可能性があります。
クロージング・アフターフォロー
クロージングは、あくまで最後の一押しと考えましょう。購入を無理強いすると、今まで築いてきた関係が崩れてしまう恐れがあります。
クロージングそのものよりは、ヒアリングやオファーの段階でしっかり見込み客に「買いたい」と思わせることの方が大切ですが、キャンペーンや特典の紹介など最後の一手を用意しておくと安心です。
また、成約後もアフターフォローに手を抜かず、定期的に顧客とコンタクトを取ることが大切です。
商材の購入後に新たなニーズや課題が生まれ、アップセルにつながる可能性があります。
また、顧客の声は商材の改善や新しい商材の開発に役立つため、丁寧なアフターフォローが欠かせません。
営業ノウハウを確立する方法
前項では一般的な営業ノウハウを紹介しましたが、各企業によってノウハウは異なります。
そこで、自社の営業ノウハウを確立する方法を解説します。
営業活動を詳細に言語化する
営業活動をアポイント獲得、ヒアリング、クロージングなどプロセスごとに分け、詳細に言語化します。
この時、誰でも再現可能なレベルで言語化することが大切です。
過去の事例など具体例も挙げることで、誰が見ても再現できる営業ノウハウが確立できます。
トップセールスに同行する
文章だけでは情報量に限界があるため、トップセールスに同行し、実際に営業ノウハウを見て学ぶ機会も設けます。
ただし、営業の同行には時間がかかり、何人も同行させるわけにはいかないため、例えばオンライン商談を録画するなど営業ノウハウを効率的に確立する工夫が必要です。
共有すべきノウハウを選定する
営業ノウハウの言語化や可視化がある程度進んだら、共有すべきノウハウを選定します。
共有するノウハウが膨大だと、共有を行う方にも受ける方にも労力がかかり、ノウハウの浸透を妨げます。成果に直結する営業ノウハウに絞り、必要なものだけを共有しましょう。
ツールを活用してノウハウを蓄積する
営業ノウハウの蓄積や共有のため、ツールを活用します。
詳しいツールは、次項にて紹介します。
営業ノウハウの共有に役立つツール
営業ノウハウを蓄積および共有しやすくするためには、ツールの活用がおすすめです。
ツール | 特徴 |
---|---|
チャットツール | リアルタイムで手軽にノウハウの共有が可能 |
ナレッジマネジメントツール | マニュアル作成・管理に特化 |
SFA/CRM | 営業活動を総合的に効率化 |
チャットツール
チャットツールは、リアルタイムで手軽に営業ノウハウの共有が可能です。
「しっかりノウハウがまとまってから蓄積や共有をしよう」と思うと、後手に回ってしまうものですが、チャットツールであれば日常会話と同じ感覚で気軽にノウハウを貯めることができます。
ノウハウが流れてしまうのを防ぐため、業務連絡とは別にノウハウ用のグループや板を作って運用しましょう。
ナレッジマネジメントツール
ナレッジマネジメントツールは、マニュアルの作成や管理に特化したツールです。
wiki形式やテンプレートを活用してのマニュアル作成、検索バーなど、営業ノウハウの蓄積や共有、活用に便利な機能が搭載されています。
SFA/CRM
SFA(営業支援ツール)やCRM(顧客関係管理)など、営業活動を効率化するツールを営業ノウハウ運用に役立てることもできます。
SFAでは、営業担当の行動履歴や商談管理ができるため、過去に上手くいった商談の履歴をまとめて営業ノウハウとして蓄積できます。
CRMは顧客管理に特化し、顧客の購買意欲や効果的な提案などのノウハウを確認することが可能です。
営業ノウハウを浸透させるポイント
営業ノウハウを確立しても、浸透されなければ効果は発揮されません。
営業ノウハウが浸透するための3つのポイントを紹介します。
営業ノウハウを共有する環境を整える
これまで「営業活動は自己流でやるもの」という認識が当たり前だった職場に、ノウハウ共有の文化はなかなか定着しないものです。
この場合、まずは営業ノウハウを共有する環境を整えましょう。
社内ミーティングでノウハウ共有の場を設ける、ツールを導入するなど、社員がノウハウを共有しやすい環境を用意します。
再現性の高さが大切
営業ノウハウは、誰が行なってもある程度同じ成果が得られるよう、再現性の高さが重要です。
テキストだけでは伝えられる情報量に限界があるため、映像や画像なども使って再現性の高い営業ノウハウを作成しましょう。
業務の効率化も重要
営業ノウハウの共有が大事と理解しつつも、日々の業務に追われ、ノウハウ共有まで手が回らない企業も多いことかと思います。
営業ノウハウの共有にリソースを割けるよう、ツールの導入などで業務の効率化を図りましょう。
業務の効率化については、次の記事で詳しく紹介しています。
プロ人材による営業組織強化支援
ここまで、営業ノウハウを確立および共有する方法を解説してきました。
しかし、実際に営業ノウハウを運用する際には「営業ノウハウの言語化が難しい」「客観的な意見が欲しい」などの課題にぶつかる傾向があります。
社内での営業ノウハウの確立・共有が難しい場合は、プロ人材サービスによる営業組織強化支援を活用するのがおすすめです。
営業分野のプロ人材が、客観的な立場から組織の営業活動の強みや弱みを分析し、組織に適した営業ノウハウを確立します。
営業組織の強化なら、プロ人材のシェアリングサービス「タクウィルプロ」
プロ人材のシェアリングサービス「タクウィルプロ」では、営業の第一線で活躍してきたプロ人材が営業組織の強化支援を行います。
タクウィル独自の人材データベースには、270億円規模の法人営業組織の構築および目標達成のチームワークづくりを手がけた経験のある営業のプロなど、14,000名以上のプロ人材が登録されています。
プロ人材の選定は、専任コンサルタントにお任せください。ヒアリングをもとに、貴社の課題解決に最適な人材をご提案します。
また、プロジェクト単位で3ヵ月からご利用可能なので、「お試しで契約してみたい」という場合でもお気軽にご相談ください。
実際にタクウィルプロを利用したお客様からは、「社外の知見を受け入れることで組織変革が加速した」「新たな気づきと自信を持って施策を実行に移せた」とのご感想を頂戴しています。
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まとめ
チーム全体の営業力を強化するため、ぜひ営業ノウハウの運用を始めてみてはいかがでしょうか。
営業ノウハウを確立するには、トップセールスの営業活動を言語化および可視化することが大切です。
また、ツールの活用によって、よりノウハウの確立や共有がしやすくなります。
もし、社内で営業ノウハウを運用するリソースがなければ、プロ人材による支援サービスも活用すると良いでしょう。