営業における組織課題の分析方法と解決策を解説。よくある課題第1位は?
営業における組織課題はさまざまありますが、実はどの企業、部署も似たような課題を抱えています。
今回は営業における組織課題を明らかにする方法や、よくある課題と解決策について解説します。
営業活動の課題を分析する方法
まずは、営業活動における課題を明確にし、部内で共有するためにも分析を行いましょう。
営業戦略の立案:フレームワークを使う
営業戦略の立案のために課題を明らかにしたい場合、「フレームワーク」という枠組みを使います。
フレームワークを使うことで、社員や自社の強みや弱みを明確にし、効率良く営業戦略を立案することができます。
ただしフレームワークはあくまで手段の1つであり、種類も多いため、あまりフレームワークの学習にコストをかけすぎないよう注意しましょう。
代表的なフレームワークは、次の通りです。
- 3C分析
「Company(自社)」「Customer(顧客)」「Competitor(競合)」の3つの要素から環境を分析し、成功要因を発見します。新事業の展開や、新商品を開発する際に活用できるフレームワークです - SWOT分析
自社の「Strength(強み)」「Weakness(弱み)」といった内部環境に加え、「Opportunity(機会)」「Threat(脅威)」などの外部環境を分析します。3C分析の後SWOT分析を行うことで、より詳細な営業戦略の立案が可能になります - 4P分析
「Product(製品)」「Price(価格)」「Place(流通)」「Promotion(プロモーション)」の4つの要素について自社と競合他社を比較し、他社に対する強みや弱みを明らかにします
営業プロセスの課題発見:成果を数値化・見える化する
営業プロセスのどの段階に課題があるのか発見するためには、成果の数値化や見える化を行います。
例えば商談数や受注件数などのKPI管理によって、各プロセスにおける成果を数値化できるため、どの段階で課題があるかを明確にします。
その他、プロセスごとの遷移率を見える化する方法も。
初回接触→初回商談→ヒアリング…と、次のプロセスへの遷移率をグラフなどにまとめると、大きく遷移率が下がっているプロセス=課題となるプロセスが一目で分かります。
営業活動における組織課題の例と解決策
営業活動における組織課題としてよくある例と、解決策を紹介します。
課題1:組織的な営業ができていない
営業担当同士の連携ができておらず、個人プレーになってしまっているケースが見受けられます。
営業の業務は、アポイント獲得や商談、発注、その他事務作業など多岐にわたります。
1人の営業担当がすべての業務を担当するのは効率が悪く、新規顧客開拓や既存顧客との関係性の構築など、本来注力すべき業務が疎かになってしまいがちです。
【解決策】営業支援の部署の立ち上げで業務を分担する
営業支援の部署を立ち上げるなど、業務の分担を行いましょう。
組織的な営業により業務が効率化し、営業の成果アップが期待できます。
ただし、部署同士がしっかり連携できるような仕組みがなければ、業務の属人化につながるため注意が必要です。
課題2:業務が属人化している
営業活動は、1名の顧客につき1名の担当者がつくのが一般的ですが、担当者でないと案件の詳細が分からない状況は危険です。
担当者の欠勤や退職により誰も案件に対応できず、機会損失につながるというトラブルが起こりかねません。
【解決策】情報共有の体制を整える
業務の属人化を解消するには、チャットツールを活用する、定例会の時間を設けるなど、情報を共有しやすい体制を整えます。
日頃から情報共有を行っていれば、担当者が不在でも他の営業担当が対応でき、営業活動がストップするリスクを低減できます。
課題3:営業成績に個人差がある
社員によって営業成績にバラツキがあり、一部の社員が部署全体の売上に大きく貢献している状態です。
個人差が大きいと全体の売上が安定せず、優秀な社員が退職した際に売上が大幅に下がるリスクが考えられます。
【解決策】優秀な社員のノウハウを共有し、標準化する
営業成績に大きな個人差が生じている場合、業務が標準化されず、社員一人ひとりが自己流で営業活動を行っている可能性が高いです。
優秀な社員の営業ノウハウを共有することで、業務を標準化し、誰が行なっても一定の成果が得られる状態を目指します。
ただし、全員が全く同じ方法で営業活動をする必要はありません。
標準化した業務をベースに個人の強みに合わせてアレンジすることで、さらに成果が出やすくなるでしょう。
課題4:人材育成ができていない
新入社員や中途採用の営業担当が入社したものの、十分な人材育成ができていないという企業も多いのではないでしょうか。
人材育成ができないと、営業成績の個人差が生じやすくなります。
また、営業担当も成果が出ない状況が長く続くとモチベーションを保つことが難しくなります。この課題を放置していると、退職者が出やすい職場になりかねません。
【解決策】セミナーや面談の機会を設ける
人材育成のノウハウやリソースがない場合には、外部講師によるセミナーを活用しましょう。
費用はかかるものの、全体の売上アップを図れると考えれば十分にコストを回収できるはずです。
セミナーの選定の前に個人面談の機会を設け、社員一人ひとりが抱える課題を明確にします。
アポの獲得やクロージングなど、個人の課題に適したセミナーを受講させることが大切です。
課題5:社員のモチベーションが上がらない
社員のモチベーションがなく、職場の士気が下がっている状態では営業成績も上がりません。
社員のやる気が感じられない状態が長く続いている場合、組織全体のモチベーション管理が必要である可能性が高いです。
【解決策】評価制度を見直す
多くの企業が評価制度を導入していると思われますが、改めて評価制度の見直しを行いましょう。
努力した分しっかりと報酬が返ってくるような評価制度を整えることで、社員のモチベーションアップにつながります。
社員の努力に直結しているか、業務の現状とマッチしているかなどを確認し、必要であれば修正します。
評価制度が妥当か、実際に社員へヒアリングを行うのも良いでしょう。
課題6:顧客管理ができていない
営業活動において顧客管理は非常に重要です。
顧客管理ができていないと、商談の設定や受注後のフォローなどもスムーズにいかず、売上アップの妨げになり得ます。
しかし、日々の業務に忙しく、なかなか顧客管理まで手が回らないという企業も多いようです。
【解決策】顧客管理ツールを導入する
CRM(顧客関係管理)やSFA(営業支援システム)などのツールの導入を検討しましょう。
Excelなどによる従来の顧客管理では、関数の知識が必要、入力項目が雑多など、さまざまな課題から上手く活用できないケースが多いです。
ツールの導入により、効率的な顧客管理が可能になります。
CRMやSFAについては、「営業課題の解決に役立つツールやサービス」の項目にて後述します。
営業課題ランキング1位は「新規顧客の開拓」
ここまでさまざまな営業課題の例を紹介してきましたが、最もよくある課題は新規顧客の開拓です。
ソフトブレーン株式会社が行なった「営業課題に関するアンケート」によると、ビジネスパーソンが抱える営業課題として最も多いのは「新規顧客の開拓」であることが明らかになりました。
参考:企業の抱える営業上の悩み1位は「新規顧客開拓」 労働人口減少、長時間労働抑制のなかでいかに売上を伸ばすかが課題に|ソフトブレーン株式会社
なお、新規顧客開拓については、次の記事でも詳しく解説しています。
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新規開拓の法人営業の方法を紹介!成功させるコツとは
新規開拓営業でよくある課題
では、新規開拓営業でよくある課題の詳細と解決策を解説します。
リードタイムが長い
新規開拓営業では、顧客情報管理が不十分で適切な顧客フォローができない、決裁者との商談までに時間がかかるなど、さまざまな理由からリードタイムが長くなりがちです。
顧客管理ツールを導入する、人脈を活用して短期で決裁者との商談を設定するなど、リードタイムが長くなる原因に合わせて対処が必要となります。
新たなエリアへの進出が難しい
新たなエリアへ進出しようにも、人脈や知見が無くなかなか商談の設定ができないという課題もあります。
自力で新エリアへの進出を行うには、地道に人脈を構築する、時間をかけて知見を広げるといった方法が適切です。
自社サービスが適合する市場が分からない
自社の展開するサービスの市場ニーズが分からず、新規開拓が進まないこともよくある課題です。
この場合、冒頭に紹介したフレームワークを活用し、市場ニーズを見極めましょう。
営業課題の解決に役立つツールやサービス
最後に、営業課題の解決に役立つツールやサービスを紹介します。
CRM/SFA
CRM(顧客関係管理)は、顧客との関係性やコミュニケーションを管理するマネジメントおよびシステムです。
顧客情報管理やメール配信など、顧客との関係を築くための機能が搭載されています。
SFA(営業支援システム)も、同じく顧客管理の効率化ができるシステムです。
顧客管理だけでなく、営業担当の行動管理や売上管理など、営業活動を広く効率化できるという点でCRMと異なります。
いずれのツールも生産性の向上に役立ちますが、人材育成や新規顧客の開拓など課題によっては解決できないものもあります。
プロ人材のシェアリングサービス
さまざまな営業課題の解決に、プロ人材のシェアリングサービスが活用できます。
営業課題は多岐にわたり、1つの企業で複数の課題を抱えていることも少なくありません。
営業のプロ人材と契約することで、あらゆる課題に対して包括的に対処することが可能となります。
業務委託契約のため、正社員1人を採用するより低コストで、退職のリスクも抑えられるというメリットがあります。
業務委託契約でプロ人材を活用できる「タクウィルプロ」では、例えば次のような場面でサポートを受けられます。
- 営業戦略の立案
- 営業組織の強化
- 取引先・市場開拓・拡販 など
タクウィルプロはプロジェクト単位でプロ人材との契約が可能で、課題に応じてその分野のエキスパートであるプロ人材を活用できます。
タクウィルプロを利用した自動車部品メーカー様では、自動車業界での営業経験の深いプロ人材とのご契約で、技術要素の確認・提案資料づくりのサポート・キーマンの紹介といった幅広いサポートにより、新たな営業チャネルを確立することに成功しました。
>>【年商30億超 自動車部品製造業様】PUSH型での販路拡大支援(自社技術の訴求強化)
その他、業界や課題を問わずさまざまな企業が、課題解決や自社の成長のためにタクウィルのプロ人材の知見を活用しています。
顧問サービス
顧問サービスは、主に新規開拓営業において活用できます。
顧問の持つ人脈や知見を活用し、新規開拓営業を効率良く行うことが可能になります。
「新規開拓営業でよくある課題」の項目では自社のリソースによる解決策を紹介しましたが、この場合時間をかけて地道に開拓していくしかありません。
顧問サービスを導入すると、新規開拓営業における課題を下記のように短期間で効率良く解決できます。
- リードタイムが長い
→顧問の人脈により決裁者との商談を短期間で実現 - 新たなエリアへの進出が難しい
→顧問が培ってきた地元企業との繋がりを活用 - 自社サービスが適合する市場が分からない
→顧問の知見から見込み顧客を紹介
顧問サービス「タクウィル セールス」では、顧問の人脈を活用し、13,000社以上のキーマンへ直接アプローチが可能です。
顧問とのコミュニケーションはオペレーターが担当するため、お客様はターゲットリストをご依頼するだけで手間をかけずにキーマン商談数を増加できます。
年間最多アポイント供給実績は、1社85件。
従来の顧問サービスでは1人の顧問との契約が一般的ですが、タクウィル セールスは複数の顧問との契約も可能なため、より多くの企業へアプローチできます。
タクウィルは他にも、お客様の課題に合わせてさまざまなソリューションをご用意しています。
弊社タクウィルのサービスにつきましては、次のページをご参考にしてください。
まとめ
営業活動における課題は多岐にわたり、「自社のリソースだけでは解決できない」「そもそも課題が分からない」という企業も少なくありません。
多面的で複雑な営業課題を解決し、売上を向上させるには、人材サービスを活用するのも1つの手段です。
プロ人材のサポートにより営業課題を解決したい方は、まずはタクウィルのお問い合わせからお気軽にご相談ください。