マイクロソフト株式会社 元業務執行役員が語る 企業を成長させるマーケティング戦略のつくり方とは
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長年にわたりグローバルIT企業でマーケティングと事業開発を牽引してきた北川顧問。
外資・国内双方の現場で培った知見をもとに、今は企業のマーケティング戦略やセールスプロセスの構築を支援しています。
豊富な実務経験と戦略的思考力を武器に、特にBtoBマーケティング領域での「仕組みづくり」や「人材育成」に力を入れてきました。
今回は、そんな北川顧問のキャリアの歩みや支援実績と学び、仕事への哲学、そして未来の展望について伺いました。
これまでの歩み
“変化し続ける”ことを軸に築いたキャリアの軌跡
北川顧問のキャリアは、日本を代表するテクノロジー企業・富士通株式会社から始まりました。
入社後はエンジニアとして、ワークステーション向けCADアプリケーションの開発に従事。
その後、「もっと広い世界で経験を積みたい」という思いから外資のデジタル・イクイップメント・コーポレーション(DEC)へ転職。
大学の時に習得したデータベースの知識を活かして、プリセールスで販売の支援を担当しました。
続いて、マイクロソフト株式会社に入社し、エンタープライズ向け製品のプロダクトマーケティングを担当。
製品企画から価格設定、認知施策、販売プロモーションまで上流から下流まで一貫して業務を担いました。
「エンジニア経験があったからこそ、技術を理解しながら市場に伝える“メッセージ”を発信し続けることが出来ました」と語ります。
そして、「自分のキャリアのテーマは“変化し続けること”。それだけは一度も揺らいだことがありません」と強調しました。
支援実績と学び
Go-To-Market戦略とパイプライン構築で企業の成長を後押しする
北川顧問の支援は、リードジェネレーション施策(=見込み顧客を獲得するためのマーケティング活動)のみではなく、「事業の仕組みづくり」そのものを設計することにあります。
企業の経営課題を起点に、Go-To-Market戦略(商品やサービスを顧客に届けるまでの戦略)を再構築し、マーケティング・営業・製品企画部門が一体となって動ける体制を整えています。
「リードを取ることだけが目的ではありません。リードを“パイプライン”に転換できる仕組みづくりに重きを置いています。私は常に、できるだけ多くの営業がゴールを達成できるかを念頭にマーケティングをしています」と語ります。
さらに、「製品のスペックを説明するのではなく、顧客の「進歩・変革」をどう実現するかという視点を持ってほしいです。顧客は製品そのものを買うのではなく、自分の生活やビジネスにおける“進歩”を買っています。ドリルを買う人が欲しいのは“穴”であり、ドリル自体ではありません。にもかかわらず、多くの企業は“うちのドリルは刃先が硬い”といったように性能ばかり訴求してしまいます。それは、初対面で“結婚してください”と迫るようなものです」と表現しています。
単に製品の優れた点を説明するのではなく、顧客自身が気づいていない潜在的な課題、つまりインサイトを提供することから始めます。
そして、インサイトを提供し、自社や顧客を変革するきっかけとなるメッセージづくりをすることが求められます。
そのため、「市場でどのような製品が求められているかを理解する中で、ターゲットに適したメッセージを発信し、価値を提示することが重要です」と強調します。
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仕事への哲学
リーダーの本質は、“変化をリードし、戦略的に考え、人を育てる”こと
リーダーの本質は、“変化をリードし、戦略的に考え、人を育てる”こと
北川顧問が大切にしている信念は、リーダーシップにおける3つのフィロソフィーです。
―リーディングチェンジ(変化をリードする)
―デベロップアザーズ(人のキャリア開発をサポートする)
―ストラテジックシンキング(戦略的に考える)
北川顧問は「リーダーには、変化を生み出し周囲に広げる力、人を育てて組織全体を強くする姿勢、そしてビジョンを作りそれに向けて優先順位とリソースを見極める戦略的思考が求められます。」と語ります。
また、「学び続ける姿勢」がキャリアにおいて非常に重要であると強調します。
「キャリアを重ねても、勉強をやめた瞬間に成長は止まります。私自身、今が一番成長していると感じます」という言葉には、北川顧問が継続的な努力を大切にしてきたことが伺えます。
“変化を導き、人を育て、自らも学び続ける”――それが北川顧問の哲学です。
未来への展望
製品ではなく“変革”を届けるマーケティングを普及していく
北川顧問が見据えるのは、「製品を売るマーケター」から「課題を発見し、市場に変革を届けるマーケター」への転換です。
「多くの企業は“製品のスペックに意識が向く傾向にあります。しかし本来マーケティングは、“誰に・何を・なぜ届けるのか”というポジショニングから始める必要があります」と語ります。
また、言葉を磨く力も欠かせません。
北川顧問は、ターゲットに向けたメッセージづくりで「主語をマスクしても内容が伝わる文章を作る」ことや「業界トレンドやグローバルの議論を日々インプットする」ことを心がけています。
業界紙への記事連載も数年間続けており、言語化を鍛えています。
今後は、こうした考え方を若いマーケターや事業責任者の層に伝えていきたいと語ります。
「マーケティングを“広報”でも“販促”でもなく、経営戦略の一部として理解する人を増やしたい。そのために、私自身も学び続け、次の世代がより戦略的に市場を動かせるよう支援していきたい」と言葉を締めくくりました。
まとめ
長年にわたり、国内外の第一線でマーケティングや事業開発をリードしてきた北川顧問。
その根底にあるのは、「変化を恐れず、戦略的に考え、人を育てる」という一貫した哲学です。
Go-To-Market戦略の設計からパイプライン構築、組織の仕組みづくりまで、理論ではなく“現場で成果を出す”実践型の支援で企業を成長へと導いてきました。
そして今、目指すのは“製品を売る”のではなく、“変革を届ける”マーケティングが普及していく社会。
そのための仕組みづくりと人材育成に、これからも力を注いでいきます。
この記事の監修者

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清水 聖子
株式会社エスプール
ヒューマンキャピタル事業部 ニアバウンド支援部 サービス推進グループ


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