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バイヤー相関図とは?エンプラ企業で役立つ場面や含めるべき情報を解説

エンタープライズ企業への営業は、組織の複雑さや多岐にわたる関係者、長期にわたる意思決定プロセスによって、困難を極めます。

従来の組織図だけでは、大企業の複雑な関係性を十分に把握できません。そこで重要となるのが「バイヤー相関図」です。

バイヤー相関図とは、顧客企業内の意思決定者や関係者の役職・関係性・影響力などを可視化した図のことです。

本記事では、バイヤー相関図がエンタープライズ企業でどのように役立つのか、重要性と具体的な活用場面、作成する上で含めるべき情報について詳しく解説します。

バイヤー相関図を活用して、エンタープライズ企業への営業を成功させましょう。

▼この記事でわかる内容

この記事の監修者

長峰 彩乃
長峰 彩乃
株式会社エスプール
ヒューマンキャピタル事業部 ニアバウンド支援部 部長
株式会社エスプール新卒入社。主幹事業である人材派遣事業を経て、ヒューマンキャピタル事業部へ配属。スタートアップ向け営業支援サービスの営業リーダー就任後、個人売上高3億円を達成。人脈を活用した大手企業開拓手法「ニアバウンド」を発信。

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バイヤー相関図とは

バイヤー相関図とは、顧客企業内の意思決定者や関係者の役職・関係性・影響力などを可視化した図のことです。

組織図が役職や部署といった公式な関係性を示すのに対し、バイヤー相関図は非公式な影響力や人間関係を含めた、実践的な関係性を把握するために作成されます。

特にBtoB営業において「誰がキーマンなのか」「どこにボトルネックがあるのか」を正確に把握することは成約率を高めるために重要です。

バイヤー相関図を活用することで、誰が意思決定に影響力を持つのか、誰と誰が連携しているのか、といった組織図からは見えない情報を把握できます。

エンタープライズ企業のような複雑な組織構造を持つ企業においては、特に有効なツールとなるでしょう。

バイヤー相関図を活用する3つの重要性

バイヤー相関図は、組織図では見えない関係性を可視化し、担当者ごとに合わせたアプローチを可能にするだけでなく、ABMやナーチャリング戦略の起点にもなります。

ここからは、バイヤー相関図を活用する3つの重要性について解説します。

▼バイヤー相関図を活用する3つの重要性

重要性①|組織図では見えない関係性を可視化できる

エンタープライズ企業の組織構造は複雑であり、組織図だけでは実際の意思決定プロセスを把握することは困難です。

バイヤー相関図の活用で、組織内の非公式な関係性や影響力を持つ人物を特定し、組織図だけでは見えない関係性を可視化できます。

例えば、役職は低いものの技術的な知識や経験が豊富で意思決定に大きな影響力を持つ人物や、部門間の連携を円滑にするキーパーソンなどを把握することが可能です。

より効果的な営業戦略を立案し、複雑な組織構造を持つエンタープライズ企業における営業活動を効率化します。

重要性③|担当者毎に合わせたアプローチが可能になる

意思決定に関わる各担当者の役割、影響力、関係性を把握し、それぞれの担当者に合わせた最適なアプローチが可能になります。

例えば、決裁権を持つ人物には製品の導入による費用対効果を強調し、技術的な知識が豊富な担当者には製品の技術的な優位性を説明するといったアプローチができます。

また、反対意見を持つ担当者やキーパーソンが異動しそうな場合など、案件の失注リスクを事前に把握することも可能です。

それぞれの担当者のニーズや関心事に合わせたアプローチで、より効果的なコミュニケーションを図り、信頼関係を構築できます。

重要性③|ABMやナーチャリング戦略の起点になる

バイヤー相関図は、ABM(アカウントベースドマーケティング)やナーチャリング戦略の起点としても非常に有効です。

ABMとは、特定のターゲット企業に焦点を当て、その企業のニーズや課題に合わせたマーケティング戦略を展開する手法です。

ターゲット企業の意思決定プロセスを詳細に把握し、各担当者に合わせた最適なコンテンツやメッセージを提供できます。

また、ナーチャリングとは、見込み顧客との関係性を構築し、購買意欲を高めるための施策です。

見込み顧客の興味や関心、課題を把握し、それらに合わせた情報提供やコミュニケーションを行うことが可能になります。

バイヤー相関図が役立つ場面

バイヤー相関図は、特にエンタープライズ企業や多段階の稟議が必要な企業への営業活動において、効果を最大限に発揮します。

ここからは、バイヤー相関図が役立つ2つの場面をご紹介します。

▼バイヤー相関図が役立つ場面

場面①|エンタープライズ企業(大手企業)への営業

エンタープライズ企業は複数の部門や役職が意思決定に関与し、誰が最終的な決断を下すのか特定することが難しいです。関係者が10人以上に及ぶケースもあります

バイヤー相関図は、組織内の関係性を明確にし、鍵となる意思決定者を特定するのに役立ちます。

例えば、情報システムの導入を検討している企業では、情報システム部門だけでなく、財務部門、経営層、実際にシステムを使用するエンドユーザー部門も意思決定に関与する可能性があります。

場面②|稟議が多段階ある企業への営業

稟議が多段階にわたる企業では、提案が承認されるまでに複数の部門や役職を経る必要があり、各段階で関係者との交渉や説明が求められます。

バイヤー相関図は、稟議プロセスに関与する全ての関係者を把握し、各関係者の役割と影響力を明確にするのに役立ちます。

多段階の稟議プロセスを効率的に進めるためには、各段階での関係者の役割と影響力を把握し、適切なコミュニケーション戦略を立てることが不可欠です。

バイヤー相関図を活用して社内の担当者を把握することで、稟議通過のために必要な社内説得材料を逆算して準備できます。

バイヤー相関図に含めるべき情報

ここでは、バイヤー相関図に含めるべき情報を解説します。

▼バイヤー相関図に含めるべき情報

情報①|肩書

肩書は、組織内での役割と責任範囲を示す重要な指標となります。

各関係者がどのような立場から意思決定に関与するのか、どのような情報や資料を重視するのかを把握できます。

例えば、経営層は企業の全体的な戦略や財務状況に関心があり、現場の担当者は製品やサービスの具体的な機能や使いやすさに関心があるかもしれません。

各関係者の肩書を正確に把握することで、各関係者の役割と責任範囲を明確にし、効果的な営業戦略を立案するための基盤を構築できます。

肩書きは、名刺やメール署名、会社Webサイトなどから収集しましょう。社内での呼称や「実質の役割」が異なる場合もあるため注意が必要です。

情報②|決裁権の有無

バイヤー相関図に決裁権の有無を明記することは、誰が最終的な意思決定者であるかを明確にする上で不可欠です。

決裁権を持つ人物を特定することで、営業担当者はその人物に焦点を当て、効果的なアプローチ戦略を立てられます。

例えば、決裁権を持つ人物が製品やサービスの導入による費用対効果を重視する場合、営業担当者は具体的なROIデータや事例を示す資料を用意する必要があります。

決裁権の有無は、過去の導入事例、ヒアリング、提案後の承認プロセスから推定しましょう。場合によっては複数人で決裁する場合もあるため注意が必要です。

情報③|社内での影響力

組織図は公式な役職と部署の関係性を示すものですが、社内の影響力は必ずしも役職と一致するとは限りません。

非公式な影響力を持つ人物は、公式な役職に関係なく、組織の意思決定に大きな影響を与えることがあります。

例えば、長年の経験を持つベテラン社員や、特定の分野に関する専門知識を持つ人物は、役職に関係なく周囲の社員から信頼され、意見を求められることがあります。

非公式な影響力を持つ人物を把握することは、組織の意思決定プロセスを理解する上で非常に重要です。

社内での影響力は、発言量、会議での発言に対する周囲の反応、上司からの呼ばれ方などから読み取りましょう。

情報④|人間関係

エンタープライズ企業の組織構造は複雑であり、公式な組織図だけでは組織内の人間関係を十分に把握できません。

バイヤー相関図に人間関係に関する情報を加えることは、組織内の非公式なつながりや力関係を理解する上で不可欠です。

例えば、同じ部署の社員同士だけでなく、異なる部署の社員同士が個人的なつながりを持つことがあります。

また、強い影響力を持つ人物と良好な関係を築いている社員から、多くの情報を得られる可能性があります。

人間関係に関する情報を把握することで、営業担当者は組織内のキーパーソンを特定し、効果的なアプローチ戦略を立てることが可能です。

バイヤー相関図の作成手順

効果的なバイヤー相関図を作成するためには、適切な手順を踏む必要があります。ここでは、バイヤー相関図の作成手順を解説します。

▼バイヤー相関図の作成手順

手順①|リサーチ

バイヤー相関図を作成する最初のステップは、徹底的なリサーチです。ターゲット企業に関するあらゆる情報を収集し、組織構造、関係者の役割、意思決定プロセスなどを把握します。

商談相手の組織図や役員一覧、IR資料などを入手し、関係者の役職、氏名、部署をリサーチしましょう。

例えば、組織図の上下左右の配置や、役員の担当部署、経歴などから、部門間の序列や影響力を読み取ります。​

リサーチを通じて収集した情報は、バイヤー相関図の作成における基盤となるため入念に行いましょう。

手順②|相関図の可視化

次に、リサーチで得られた情報を基に、バイヤー相関図を可視化します。関係者の役職、部署、関係性、影響力などを図や表にまとめ、組織内のネットワークを視覚的に表現しましょう。

相関図の作成では、組織の関係性を明確に示すことが重要です。例えば、影響力の強い人物は中心に配置し、他の関係者との関係線を引くことで、組織内の力関係を視覚的に表現します。

また、関係者の役職や部署、連絡先などの情報も相関図に含めることで、関係者に関する情報を一目で把握できるようにしましょう。

手順③|社内で共有、施策実行

作成したバイヤー相関図は、社内の関係者と共有し、営業戦略やマーケティング施策に活用します。

相関図を共有することで、チーム全体が組織内の関係性を理解し、統一されたアプローチを取ることが可能です。

また、相関図を基に、各関係者に合わせたコミュニケーション戦略や提案内容を検討できます。

バイヤー相関図に役立つおすすめツール

ここでは、バイヤー相関図の作成に役立つおすすめのツールを紹介します。

▼バイヤー相関図に役立つおすすめツール

ツール①|Excel

Excelは、多くのビジネスパーソンにとって馴染み深いツールであり、バイヤー相関図の作成にも柔軟に対応できます。

表計算ソフトとしての機能を活かし、関係者の役職、部署、連絡先などの情報を整理し、関係性を線や矢印で結ぶことで、シンプルな相関図を作成可能です。

Excelは使い慣れている人が多く、自由度が高くカスタマイズしやすい点が魅力です。

PCスキルがあり、Excelに慣れている営業担当者・マーケ担当者に向いています。

しかし、複雑な関係図になると管理が煩雑になる可能性があるため注意が必要です。

ツール②|Notion

Notionは、多機能なワークスペースツールであり、バイヤー相関図の作成にも活用可能です。

データベース機能、ドキュメント作成機能、プロジェクト管理機能などを組み合わせることで、関係者の情報を整理し、関係性を視覚的に表現できます。

Notionの利点は、その柔軟性とカスタマイズ性の高さです。自分のニーズに合わせてデータベースの項目を自由に設定したり、ページのレイアウトをカスタマイズしたりできます。

また、関係者に関する情報だけでなく、関連するドキュメントやプロジェクトの進捗状況なども一元管理できます。

クラウドベースでリアルタイムに共有でき、更新履歴も管理しやすい点が魅力です。

しかし、初心者には操作に慣れるまでやや時間がかかるため注意が必要です。

ツール③|PowerPoint

PowerPointは、プレゼンテーションツールとして広く知られていますが、図形描画機能やスマートアート機能を活用することで、バイヤー相関図の作成にも役立ちます。

PowerPointの利点は、視覚的な表現力の高さです。豊富な図形やアイコン、アニメーション効果などを使うことで、関係者の役職や影響力、関係性を分かりやすく表現できます。

特に、プレゼンテーション資料としてバイヤー相関図を活用する場合には、PowerPointの表現力が効果を発揮します。

しかし、PowerPointはあくまでプレゼンテーションツールであるため、データの管理や更新には限界があります。

関係者の情報が増えたり、組織が変化したりすると、図の修正に手間がかかる場合があります。

バイヤー相関図とABM(アカウントベースドマーケティング)との関連

バイヤー相関図は、ABM(アカウントベースドマーケティング)戦略において、効果を最大化するための基盤となります。

ABMとは、特定のターゲットアカウント(企業)に焦点を当て、ニーズや課題に合わせてパーソナライズされたマーケティング活動を展開する戦略です。

バイヤー相関図は、ABM戦略において誰に、どのようなアプローチを取るべきかを明確にするための羅針盤としての役割を果たします。

バイヤー相関図とABMは、互いに補完し合う関係にあります。

バイヤー相関図は、ABM戦略を成功に導くための基盤となり、ABM戦略は、バイヤー相関図を活用することで、効果を発揮します。

まとめ

本記事では、エンタープライズ企業への営業活動を効率化し、成功に導くための強力なツールである「バイヤー相関図」について解説しました。

バイヤー相関図は、組織図では見えない複雑な関係性を可視化し、担当者ごとに最適化されたアプローチを可能にします。また、ABMやナーチャリング戦略の基盤としても機能します。

バイヤー相関図を効果的に活用し、エンタープライズ企業や多段階の稟議が必要な企業への営業活動を効率的に進めましょう。

大手企業の開拓を目指すご担当者さまから、決裁者にたどり着けない、1年かけても成果が出ないといったお悩みを伺うケースが増えています。

こうした大手企業開拓における壁を突破するための新しいアプローチとして、「ニアバウンド」を活用したサービス『タクウィルセールス』がおすすめです。

タクウィルセールスは、エンタープライズ企業の決裁者との商談を効率的に創出する法人向けサービスです。​14,000名以上の意思決定者データベースを活用し、商談設定までを一括でサポートします。

​月額固定費ゼロで、費用は商談単価のみです。顧問との関係構築や調整の手間を省き、営業チームは商談対応に専念できます。

​従来のテレアポや展示会では難しかった大手企業の決裁者へのアプローチを可能にし、成約率と営業効率の向上を実現します。

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この記事の監修者

長峰 彩乃
長峰 彩乃
株式会社エスプール
ヒューマンキャピタル事業部 ニアバウンド支援部 部長
株式会社エスプール新卒入社。主幹事業である人材派遣事業を経て、ヒューマンキャピタル事業部へ配属。スタートアップ向け営業支援サービスの営業リーダー就任後、個人売上高3億円を達成。人脈を活用した大手企業開拓手法「ニアバウンド」を発信。

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