アカウントプランとは?作り方やABMとの関連と合わせて解説!
複雑化するビジネス環境において、効率的な営業活動は企業の成長を左右します。その中で、特に重要な役割を果たすのが「アカウントプラン」です。
アカウントプランとは、特定の顧客との関係を深め、長期的なビジネスチャンスを最大化するための戦略的計画です。
本記事では、アカウントプランの基本概念から、具体的な作成方法、そして成果を最大化するための実践的なポイントまでを解説します。
アカウントプランを効果的に活用し、戦略的な営業活動を展開しましょう。
▼この記事でわかる内容
- アカウントプランの定義とは
- アカウントプランとABMとの関連
- 営業においてアカウントプランが必要な3つの理由
- アカウントプランの作り方3ステップ
- アカウントプランの主要な記載項目
- アカウントプランを活用して成果を出す5つのポイント
この記事の監修者

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株式会社エスプール
ヒューマンキャピタル事業部 ニアバウンド支援部 部長
株式会社エスプール新卒入社。主幹事業である人材派遣事業を経て、ヒューマンキャピタル事業部へ配属。スタートアップ向け営業支援サービスの営業リーダー就任後、個人売上高3億円を達成。人脈を活用した大手企業開拓手法「ニアバウンド」を発信。
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アカウントプランの定義とは
アカウントプランとは、特定の顧客、特に重要顧客との関係を深め、長期的なビジネス目標を達成するための戦略的計画です。
単なる営業リストやToDoではなく、「誰に・どのような価値を・いつ・どの手段で届けるか」を明確化する営業戦略の設計図です。
既存顧客との関係深化、新規取引の創出、取引額の最大化を図るうえで不可欠なフレームワークと言えます。
アカウントプランは、顧客の課題、ニーズ、目標、およびビジネス環境を詳細に分析し、長期的な戦略を策定可能です。
営業、マーケティング、カスタマーサポートなど、関連する全ての部門が連携して実行することで、効果を最大化できます。
アカウントプランとABMとの関連
アカウントプランは、ABM(アカウントベースドマーケティング)と密接に関連しています。
ABMとは「アカウントベースドマーケティング」の略で、特定の企業をターゲットとして、戦略的なマーケティング活動を行うBtoBマーケティング手法です。
従来のマーケティング手法とは異なり、広範囲な見込み顧客にアプローチするのではなく、自社にとって重要な数社に絞り込み、集中的にリソースを投下します。
アカウントプランは、ABM戦略の中核をなすものであり、ターゲットアカウントに対する深い洞察と戦略的なアクションプランを提供します。
つまり、ABMが「戦略」なら、アカウントプランは「戦術」です。
ABMでターゲット企業を定め、アカウントプランで具体的な攻め方を設計・実行していく関係にあると言えるでしょう。
営業においてアカウントプランが必要な3つの理由
アカウントプランは、営業活動において不可欠なツールです。その理由は多岐にわたりますが、特に重要なのは以下の3点です。
▼営業においてアカウントプランが必要な3つの理由
- 理由①|投資判断ができる
- 理由②|取引実現による売上拡大
- 理由③|営業担当者の顧客理解
理由①|投資判断ができる
アカウントプランは、営業リソースを効率的に配分し、投資対効果を最大化するための重要な判断材料となります。
投資判断ができないと、顧客の優先度が定まらず効率的なリソース配分ができません。
顧客の潜在的な価値、成長可能性、自社とのシナジーを詳細に分析することで、どの顧客にどれだけの投資を行うべきかを明確にできます。
具体的には、顧客の売上規模、業界における地位、成長率、そして自社製品・サービスとの適合性を評価しましょう。
優先的にリソースを投入すべき顧客、長期的な関係構築を目指すべき顧客、そして現状維持に留めるべき顧客を明確に区別可能です。
例えば、ある顧客が新しい市場への進出を計画している場合、自社の製品・サービスがその進出を支援できる可能性があれば、積極的な投資を検討できます。
一方、既存市場での競争が激化し、成長が見込めない顧客に対しては、投資を抑制し、効率的なリソース配分を目指すべきです。
理由②|取引実現による売上拡大
アカウントプランは、顧客のニーズを深く理解し、取引の成功率を高め、売上拡大に貢献します。
顧客のニーズを理解していない状態で取引を行うと、魅力的な提案が行えません。
顧客の課題、目標、意思決定プロセスを詳細に分析することで、顧客が真に求めるソリューションを提供できます。
目の前の1件にとどまらない長期視点での売上最大化が可能です。
また、アカウントプランは顧客との長期的な関係構築を支援し、継続的な取引を通じて売上を拡大するための基盤にもなります。
理由③|営業担当者の顧客理解
アカウントプランは、営業担当者が顧客のビジネスを深く理解するためにも重要です。
顧客の業界、組織構造、意思決定プロセス、競合状況を詳細に分析することで、顧客との信頼関係を築き、長期的なパートナーシップを構築できます。
具体的には、顧客の業界におけるトレンド、市場における地位、そして競合企業の動向を把握します。
さらに、顧客のビジネスにおける課題、目標、そして戦略を把握し、それらに対する深い洞察を得ることも重要です。
顧客理解ができていない状態では、ヒアリングが雑になってしまう傾向にあります。アカウントプランを活用することで、顧客を理解した上で深掘りできます。
アカウントプランの作り方3ステップ
アカウントプランの作成は、以下の3つのステップで進めます。
▼アカウントプランの作り方3ステップ
- 作り方①|アカウント情報のリストアップ
- 作り方②|目標設定や戦略設定
- 作り方③|アクションプランの立案
作り方①|アカウント情報のリストアップ
まずは、顧客に関するあらゆる情報を収集し、アカウント情報をリストアップしましょう。
具体的には、顧客の業界動向、組織構造、財務状況、競合状況、過去の取引履歴、キーパーソンの情報などを収集します。
アカウント情報は、顧客のウェブサイト、業界レポート、財務諸表、顧客との面談記録、CRM(顧客関係管理)システムなどから入手できます。
収集した情報は、整理してデータベース化し、チーム全体で共有しましょう。
作り方②|目標設定や戦略設定
次に「何を達成したいか(目標)」を定め、それに向けた営業戦略・提供価値の仮説・提案タイミングを設定します。
目標は売上だけでなく、関係性の構築や情報収集フェーズも含めると良いでしょう。
また、目標を定める際はSMARTの法則を意識することをおすすめします。
SMARTの法則とは、以下の5つの要素を満たした目標を指します。
- 具体性(Specific)
- 測定可能性(Measurable)
- 達成可能性(Achievable)
- 関連性(Relevant)
- 時間制約(Time-bound)
目標を定めたら、競合他社との差別化を図り、自社の強みを最大限に活かせる戦略を策定しましょう。
作り方③|アクションプランの立案
最後に、設定した目標と戦略に基づいて、具体的なアクションプランを立案します。
アクションプランでは、誰が、いつ、何を、どのように行うかを明確に定義し、スケジュール形式で落とし込みましょう。
実際に実行しやすいように作り込むことはもちろん、あとから振り返りしやすい形式がポイントです。
アクションプランに記載する具体的な項目は後述します。
アカウントプランの主要な記載項目
アカウントプランには、主に以下の項目を記載します。
項目 | 目的 | 記載方法 |
---|---|---|
顧客課題、ニーズの分析 | 顧客が直面している具体的な問題や顧客が達成したい目標、顧客が求める価値を明確にする | インタビューや決算情報、IR資料などから深堀りする |
目的、KPI | 顧客との関係における具体的な目標を設定し、達成度を測定する | 顧客との関係を通じて達成したい具体的な成果を定義する |
競合マップ | 顧客の業界における競合状況を分析し、競合企業の戦略と強みを把握する | 顧客の主要な競合企業を特定し、それぞれの企業の製品・サービス、価格戦略やマーケティング戦略、顧客との関係などを分析する |
顧客プロファイル | 顧客組織内部の力関係と意思決定プロセスを理解する | 顧客組織図、部門構成、意思決定に関与するキーパーソンの役割と影響力、企業文化、価値観、ビジネス目標などを記載する |
アクションプラン | 「いつ」「誰が」「何を」「どのように」行うのかを明確に定義し、具体的なタスク、責任者、期限、必要なリソースを洗い出す | フェーズ別に必要なアクションを落とし込む |
ステークホルダー | 各ステークホルダーの専門性やスキル、リソースなどを考慮し、適切な役割分担を行う | キーマン・現場担当者・導入部門・経理など、社内外の関係者一覧と影響度、関係性を記載する |
項目①|顧客課題、ニーズの分析
アカウントプランの基盤となるのが、顧客の課題とニーズの詳細な分析です。
分析を通じて、顧客が直面している具体的な問題や顧客が達成したい目標、顧客が求める価値を明確にします。
また、顧客のビジネスプロセスや組織構造、文化なども分析し、課題の根本原因を特定します。
分析は、インタビューや決算情報、IR資料などから深堀りしましょう。
項目②|目的、KPI
アカウントプランの目的とKPI(重要業績評価指標)は、顧客との関係における具体的な目標を設定し、達成度を測定するための項目です。
顧客との関係を通じて達成したい具体的な成果を定義します。
目的では、以下の項目を定めると良いでしょう。
- 売上向上
- 取引規模の拡大
- 顧客満足度の向上
- 長期的なパートナーシップの構築
また、KPIでは以下の項目を定量的に定めましょう。
- 売上高
- 取引件数
- 顧客満足度スコア
- 顧客維持率
目的とKPIを明確に定義し、定期的に達成度を測定することでアカウントプランの成果を最大化できます。
項目③|競合マップ
競合マップは、顧客の業界における競合状況を分析し、競合企業の戦略と強みを把握するための項目です。
競合マップでは、顧客の主要な競合企業を特定し、それぞれの企業の製品・サービス、価格戦略やマーケティング戦略、顧客との関係などを分析します。
同じ顧客を狙っている競合の存在やポジショニング、自社との差別化ポイントを整理し、提案の勝ち筋を見つけましょう。
項目④|顧客プロファイル
顧客プロファイルは、「顧客企業の取扱説明書」のようなものです。
顧客組織図、部門構成、意思決定に関与するキーパーソンの役割と影響力、企業文化、価値観、ビジネス目標などを把握します。
顧客組織内部の力関係と意思決定プロセスを理解することで、より効果的なコミュニケーションと提案を行えます。
キーパーソンとの関係を構築することで、顧客との信頼関係を深め、長期的なパートナーシップを築くことが可能です。
項目⑤|アクションプラン
アクションプランでは、「いつ」「誰が」「何を」「どのように」行うのかを明確に定義し、具体的なタスク、責任者、期限、必要なリソースを洗い出します。
フェーズ別に必要なアクションを落とし込むことで、実際の行動につなげることが可能です。
また、営業プロセスの可視化で、漏れ防止にもつながります。
項目⑥|ステークホルダー
ステークホルダーでは、キーマン・現場担当者・導入部門・経理など、社内外の関係者一覧と影響度、関係性を記載します。
ステークホルダーの整理で、誰にどう働きかけるか具体的に定めることが可能になります。
各ステークホルダーの専門性やスキル、リソースなどを考慮し、適切な役割分担を行いましょう。
アカウントプランを活用して成果を出す5つのポイント
アカウントプランを効果的に活用するためには、以下の5つのポイントを意識しましょう。
▼アカウントプランを活用して成果を出す5つのポイント
- ポイント①|中長期的に持続可能な体制
- ポイント②|他部門との連携と合意形成
- ポイント③|データドリブンな意思決定
- ポイント④|顧客ファーストで考える
- ポイント⑤|Win-Winを重要視する
ポイント①|中長期的に持続可能な体制
アカウントプランは、一時的な成果にとどまらず、長期にわたる安定した関係を築くことが重要です。
市場や顧客ニーズは常に変化するため、企業は柔軟かつ継続的に対応できる体制を構築する必要があります。
長期的な目線で人的リソースや予算を適切に配分し、効率的な運用が必要です。
中長期的に持続可能な体制を築くことで、企業は顧客との関係を長期にわたり維持し、安定した成果を上げられるでしょう。
ポイント②|他部門との連携と合意形成
アカウントプランの実行には、営業部門だけでなく、マーケティング部門、開発部門、カスタマーサポート部門など、多岐にわたる部門の連携が不可欠です。
各部門が情報を共有し、共通目標に向かって協力することで、顧客に対し一貫性のある価値を提供できます。
部門間の連携強化には、定期的な会議を通じて進捗状況や課題を共有し、解決策を検討することが重要です。
また、全社で共通目標を設定し、各部門が同じ目標に向けて協力することで、より大きな成果を生み出すことが可能になります。
ポイント③|データドリブンな意思決定
アカウントプランの策定から実行に至るまで、データに基づいた客観的な意思決定が重要です。
顧客データや市場データを詳細に分析し、結果をもとに戦略を立てることで、より効果的なアクションを実行できます。
例えば、顧客の属性、購買履歴、行動履歴などのデータを収集・分析し、市場調査を通じて競合の動向や市場変化を把握しましょう。
ポイント④|顧客ファーストで考える
アカウントプランでは、常に顧客の視点に立ち、ニーズに応えようとする姿勢が必要です。
顧客が抱える課題や目標を深く理解し、提案を行うことで、顧客との信頼関係を築き、長期的な関係へとつながります。
具体的には、顧客の業界、ビジネスモデル、組織構造、課題などを深く理解し、顧客との対話やアンケートを通じてニーズを正確に把握することが重要です。
顧客を第一に考える姿勢は、顧客満足度を高め、長期的な信頼関係の構築につながります。
ポイント⑤|Win-Winを重要視する
アカウントプランは、自社の利益追求だけでなく、顧客の利益も考慮することが重要です。
双方にとってメリットのある提案を行うことで、長期的なパートナーシップを築き、持続的な成長を実現できます。
顧客のビジネス目標や個人的な目標を深く理解し、双方にとって利益となる提案を模索し、合意形成を図ることが重要です。
まとめ
アカウントプランの定義から、ABMとの関連性、営業における必要性、作成方法、成果を最大化するための重要なポイントまでを網羅的に解説しました。
アカウントプランを活用して成果を出すポイントは以下の5つです。
- 中長期的に持続可能な体制
- 他部門との連携と合意形成
- データドリブンな意思決定
- 顧客ファーストで考える
- Win-Winを重要視する
上記のポイントを踏まえて、自社で効率的にアカウントプランを活用しましょう。
大手企業の開拓を目指すご担当者さまから、決裁者にたどり着けない、1年かけても成果が出ないといったお悩みを伺うケースが増えています。
こうした大手企業開拓における壁を突破するための新しいアプローチとして、「ニアバウンド」を活用したサービス『タクウィルセールス』がおすすめです。
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従来のテレアポや展示会では難しかった決裁者への直接アプローチを実現し、成約までのリードタイムを短縮します。
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この記事の監修者

-
株式会社エスプール
ヒューマンキャピタル事業部 ニアバウンド支援部 部長
株式会社エスプール新卒入社。主幹事業である人材派遣事業を経て、ヒューマンキャピタル事業部へ配属。スタートアップ向け営業支援サービスの営業リーダー就任後、個人売上高3億円を達成。人脈を活用した大手企業開拓手法「ニアバウンド」を発信。
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