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大手開拓とは?メリットや効果的な方法、取引を進めるポイントを解説

大手開拓とは、大手企業との新規取引を開拓する営業活動のことです。一社との取引でも、受注単価や年間契約額が高いため、企業にとって重視する価値のある営業手法です。

しかし、大手企業はそもそもターゲットが少ないことや、決裁権者につながりにくいなどの課題があります。

そこで本記事では、大手開拓のメリットや注意点をお伝えしつつ、大手開拓の効果的な方法を紹介します。大手開拓に苦戦している方やこれから大手開拓を進めていきたいと考えている方は、ぜひ最後まで読んでお役立てください。

▼この記事でわかること

この記事の監修者

長峰 彩乃
長峰 彩乃
株式会社エスプール
ヒューマンキャピタル事業部 ニアバウンド支援部 部長
株式会社エスプール新卒入社。主幹事業である人材派遣事業を経て、ヒューマンキャピタル事業部へ配属。スタートアップ向け営業支援サービスの営業リーダー就任後、個人売上高3億円を達成。人脈を活用した大手企業開拓手法「ニアバウンド」を発信。

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大手開拓とは?

大手開拓とは、大手企業との新規取引を開拓する営業活動で「エンタープライズ営業」とも呼ばれます。

大手開拓の特徴は、一社との取引でも、受注単価や年間契約額が高く、売上のインパクトが大きいことです。1件あたりの受注金額が大きいため、少数の案件獲得でも経営目標達成への貢献度が高まります。

また、大手企業と取引できると、自社の信頼度を高める材料になり、他社に営業する際も好影響を与えます。

一社でも大手開拓ができれば、自社の市場価値と認知度が向上し、業界内における地位を確立しやすいです。

一方で、社内稟議や調整が多く、契約成立までに時間がかかる場合がよくあります。品質や納期などの要求水準が高いため、簡単に取引できません。

大手開拓のメリット

大手開拓には、以下のようなメリットがあります。

▼大手開拓のメリット

一つひとつ確認していきましょう。

メリット①|予算が多い

大手企業は予算規模が大きいため、1件あたりの契約金額が高くなる傾向があります。中小・零細企業と比較して予算が格段に大きいため、高額な商品やサービスであっても導入を検討してもらいやすいです。

また、提供する価値が認められると、中小・零細企業向けと同じような内容でも受注金額が桁違いになる可能性もあります。

特に、大手企業は単に安さだけを追求するのではなく、投資によって得られる価値や効果を重視する傾向が強いです。

そのため、費用対効果や課題解決に対する貢献度をしっかりと示すことで、価値を重視した質の高い提案が受け入れられやすくなります。

つまり、大手企業は、単価の高い商品や長期契約型のサービスにとって、営業コストをかけても見返りの大きいターゲットです。

メリット②|安定した売り上げが期待できる

大手企業と取引するメリットは、一度関係性を構築できれば、安定した売上につながりやすい点です。一度サービスやシステムを導入してもらうと、競合他社にリプレイスされるリスクが低い傾向にあります。

なぜなら、大手企業では導入している部署や人数が多く、システム移行や業務プロセスの変更に伴うコストが大きいからです。

そのため、一度採用され、信頼を得ることができれば、大きな問題が発生しない限り継続して利用してもらえる可能性が高まります。

結果として、長期にわたる安定した取引が期待できるため、事業の収益基盤を強固にします。

メリット③|商品やサービスの信用力が上がる

大手企業との取引実績があると、大きな信頼の証となり、自社の商品やサービスの信用力が一気に高まります。

大手と契約している実績があれば、営業先で「大手A社に導入されています」と伝えるだけで、営業がしやすくなります。大手の採用実績は、特に新しいサービスや無名ブランドにとって効果的です。

大手企業と取引すると、その実績がほかの企業からの信頼獲得にもつながりやすくなります。

結果として、新規商談の成約率向上や顧客からの紹介増加といった、ビジネスチャンスに発展する可能性を秘めています。

メリット④|複数契約につながる可能性が高い

大手企業は部署数や関係会社が多いため、1件の契約が社内やグループ全体に広がる可能性があります。

1部署で導入されたシステムが、他部署でも評価されて横展開されたり、グループ会社への紹介につながったりするケースもあります。

また、大手企業ほど社内での情報共有や実績の可視化が進んでいるため、安心して他部門に紹介することが可能です。

営業としても、すでに関係性ができているため、ゼロからの新規開拓よりもスムーズに進められる利点があります。

大手開拓の効果的な方法

大手開拓のメリットや注意点をお伝えしてきました。ここまでお読みになられた方は「ではどうすれば大手開拓につなげられるの?」とお考えではないでしょうか?

ここでは、大手開拓の効果的な方法を5つ紹介します。

▼大手開拓の効果的な方法

具体的な営業方法を確認していきましょう。

方法①|紹介営業

紹介営業とは、既存の取引先や関係者から新たな見込み顧客を紹介してもらう営業手法のことです。信頼関係のある相手経由で紹介されるため、スムーズに商談へ移行しやすくなります。

紹介営業の最大の利点は、紹介者という信頼できる第三者を介して、初対面から一定の信頼度を持って商談をスタートできることです。

全くの新規でアプローチするよりも、格段にスムーズに商談へと移行しやすくなります。

このように、初期段階での信頼関係構築の手間を大幅に短縮できるため、営業活動全体の効率が向上し、結果として成約率の向上も期待できます。

ただし、紹介営業を実現するためには、大前提として紹介者との強固な信頼関係が不可欠です。「この企業なら安心して紹介できる」「紹介してあげたい」と思ってもらえるような、日頃からの丁寧な関係構築を意識しましょう。

方法②|ABM(アカウント・ベースド・マーケティング)

ABM(アカウント・ベースド・マーケティング)は、特定の企業ごとに戦略を設計し、その企業に合わせた営業・マーケティング施策を展開する手法です。

広く見込み客を集める従来のマーケティングと異なり「狙った企業に深く刺さる」点が特徴です。大手企業開拓に適していて、商談単価が高く、関係構築に時間がかかるようなサービスに向いています。

具体的には、ターゲット企業の選定→社内外のキーパーソンの特定→パーソナライズされた提案の作成と段階を進める方法です。

特定したキーパーソンのSNSアカウントを活用し、関心事を把握した上で、適切なタイミングと方法でコンタクトを取ります。

SFA(営業支援システム)とCRM(顧客関係管理)を活用することで、効率的な営業活動ができます。

方法③|イベント・セミナー活用

イベントやセミナーは、大手企業のキーパーソンと接点を持つために有効な手段です。特に自社主催のセミナーでは、参加者との信頼関係を築きやすく、ニーズの把握や課題のヒアリングがしやすくなります。

登壇やプレゼンテーションの機会を活用すれば、企業の専門性や信頼性をアピールすることも可能です。セミナーを通して信頼を得られれば、その後の営業プロセスも円滑になります。

参加企業の情報は名刺交換やアンケートで収集できるため、今後のフォローやABM施策への活用にもつながります。

方法④|ゴルフ営業

ゴルフ営業は、商談の場では見せられない人柄や関係性を築くための営業方法です。

取引先とのラウンドを通じて、共通の趣味や時間を共有し、信頼感を高められます。大手企業の経営層・管理職がゴルフ好きであることも多く、自然な接点を持つ手段として有効です。

コースに出る際は、取引先主催のコンペや業界団体のイベントを活用するとスムーズです。

もし、ゴルフ初心者で不安な場合は、事前にゴルフ練習場で基本的なスキルを身につけておくことをおすすめします。マナーや最低限のプレーができる状態であれば、周りに迷惑をかける心配も少なく、安心して参加できます。

方法⑤|外部コンサルタント・顧問制度の活用

外部コンサルタントや顧問制度を活用すると、自社だけでは接点を持てない大手企業への橋渡し役を担ってもらえます。

豊富な人脈や業界知識を活かして、キーパーソンへの紹介や、商談の場での後押しを受けられる点がメリットです。

ただし、契約には報酬が発生し、成果保証は基本的にありません。

そのため、依頼する顧問が本当に信頼できる人物か、過去の実績や紹介先との関係性を慎重に確認する必要があります。

成果報酬型や期間限定での試用契約などを検討するのも有効です。

大手開拓の注意点

大手開拓には多くのメリットがありますが、実際に開拓を進める際にはいくつか注意点を押さえることが大切です。

▼大手開拓の注意点

上記3点について確認しておきましょう。

注意点①|ターゲットが少ない

大手企業のターゲット数は、中小企業に比べると圧倒的に少なくなります。

中小企業庁のデータによると、日本には約400万社の企業が存在しますが、その中で大企業に分類されるのは、わずか1.1万社ほどです。この数字は、全企業数に対して約0.3%という極めて小さな割合に過ぎません(2021年6月時点)。

そのため、アプローチできる母数自体が少なく、営業活動が非効率に感じられる場合もあります。

対策としては、1社ごとの情報収集や提案精度を高めて「狙い撃ち」する営業戦略が重要です。グループ会社や関連会社まで視野を広げることで、実質的なターゲット数を増やす工夫をする必要があります。

注意点②|決裁権者につながりにくい

大手企業では、意思決定までに複数の担当者や部署を経由するため、決裁権者に直接つながることが難しくなります。

大手企業では決裁権者との接点が組織的に制限されており、複数の担当者という「フィルター」を通過しなければなりません。

特に、初期段階においてコンタクトが困難です。担当者レベルでの承認を得ても、最終決裁者の判断で案件が白紙になるリスクがあります。

この問題を解消するには、多くの営業や紹介などのルートを駆使して、組織内の適切な人脈を構築することが大切です。

注意点③|リードタイムが長い

大手企業との商談を進める上で覚悟すべきなのが、契約締結までに長い時間を要する、いわゆる「リードタイムの長さ」です。

大手企業では、多くの場合、決裁プロセスが複雑に定められています。稟議には複数の部署や担当者が関与し、それぞれの段階で慎重な審査や検討が実施されます。

そのため、一つ一つのステップに時間がかかり、全体の進捗はどうしても遅くなりがちです。

結果として、最初の接点から最終的な契約締結までに、半年から1年以上といった長期間がかかるケースがあります。

そのため、大手開拓においては、短期的な成果をすぐに求めるのではなく、腰を据えた長期的な営業計画を立てることが不可欠です。

大手開拓を進める上で意識した方が良いポイント

大手開拓を進める上で、意識した方が良いポイントを3つ紹介します。

▼大手開拓の効果的な方法

ポイント①|組織の意思決定構造を理解する

大手企業では、多くの部門や役職者の合意が必要で、稟議や承認フローも複雑です。提案がどんなに優れていても、通すべきルートを理解していなければ、途中でストップしてしまうこともあります。

そのため、まずは相手企業の組織構造を把握し、「誰が決裁者で、誰が影響力を持っているのか」をリサーチすることが大切です。

企業の公式サイトや業界レポートを確認するだけでなく、SNSを活用したり、イベントに足を運んだりしましょう。企業に知人や関係者がいる場合は、積極的に組織構造や決裁者について尋ねてみることをおすすめします。

「隠れた決裁者」の存在を見逃さないよう、組織図だけでなく実質的な力関係も調査することが重要です。提案書は決裁者に合わせて複数バージョンを用意し、各立場の関心ごとに応じた内容で伝えると、採用されやすくなります。

ポイント②|長期的な関係構築を優先する

大手企業との取引は、短期決戦で臨むのではなく、中長期的な視点で信頼を構築していくことが必須です。

大手企業では、知らない相手からすぐに発注できることはまずありません。そこで、無料相談や情報提供といった定期的な接点づくりを通して、信頼を得ていきます。

一度断られたとしても、その後の変化に備えて関係を継続することが大切です。担当者が異動することも多いため、企業全体との関係性を築く意識も持っておくと、将来的に大きなチャンスにつながります。

ポイント③|コスト重視ではなく価値提案を重視する

大手企業は価格に対してシビアな印象を持たれがちですが、安さよりも失敗しないことを重視する傾向があります。

そのため「なぜこの金額なのか」を明確に説明し、商品やサービスの価値や成果を相手目線で伝えることが重要です。

例えば、大手ならではの、組織の複雑さやシステム連携の必要性などの課題に対する解決策を具体的に示します。

具体的には、次のような提案です。

「現在使用中の基幹システムの場合、複数の既存システムとのデータ連携は必須です。当社のシステムであれば、標準APIに加え、貴社独自のシステム環境に合わせたカスタムAPI開発にも対応できます」

このように、組織全体の課題解決につながる具体的な道筋を示せると、提案に対する相手の納得感や信頼度が高まります。

しかし、大手開拓は少し構造を理解しただけで、うまく進められるほど甘くないのも事実です。タクウィルセールスでは、営業活動の成果向上を営業のプロがご支援します!

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まとめ:大手開拓は戦略的なアプローチが不可欠

大手開拓は、ターゲットが少なく、決裁者につながりにくいケースもあり、簡単に進められません。一方で、大手開拓ができると、安定した売り上げが期待できることや複数契約につながる可能性が高いなどのメリットがあります。

今回紹介した大手開拓の効果的な方法を実践して、大手開拓を進めてみてください。また、長期的な関係構築や価値提案を意識した上で魅力的な提案をしましょう。

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この記事の監修者

長峰 彩乃
長峰 彩乃
株式会社エスプール
ヒューマンキャピタル事業部 ニアバウンド支援部 部長
株式会社エスプール新卒入社。主幹事業である人材派遣事業を経て、ヒューマンキャピタル事業部へ配属。スタートアップ向け営業支援サービスの営業リーダー就任後、個人売上高3億円を達成。人脈を活用した大手企業開拓手法「ニアバウンド」を発信。

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