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販路拡大とは?必要性と手法について徹底解説!

1. 販路拡大とは?

   

本記事では、ビジネスにおける重要な概念である販路拡大に焦点を当てて探求します。

販路拡大とは一体何か、なぜビジネスにおいて欠かせないのかについて詳細に解説していきます。その中で具体的な方法をご紹介し、成功事例やベストプラクティスを交えて理解を深めていきます。

ビジネス拡大の鍵である販路拡大について、具体的な手法と成功の秘訣を一緒に学んでいきましょう。

   

   

販路とは販売ルート、つまり製品やサービスを販売するための経路のことです(販売チャネルとも呼ばれることもあります)。

消費者向けのBtoCビジネスの場合は、コンビニ販売かネット販売等といった流通経路を指す場合が多いです。

 

法人向けのBtoBビジネスの場合は、一般的に販売方法といった意味で使われることが多いです。

販路開拓とは、新たな販売ルートによって新規顧客を得るための取り組みとなりますが、特に新規事業を立ち上げる起業家やベンチャービジネスにとっては、販路開拓は資金調達と同じくらい苦労する部分です。販路開拓は、既に事業が進んでいる企業にとっては、既存の販路を使った単なる拡販とは違って、独創性も必要とされます。

 

 

販路開拓は業種・業態・規模を問わず、企業にとって常にやり続けなければならない重要課題の一つです。

どのような企業でも、今の取引先が5年後、10年後も、変化なくそのまま生き残っている保証はありません。

一般的に20~30%の取引先は入れ替わります。そのうえ、先行き不透明な時代になり、ますます現状変化要因が高まってきています。部品メーカーの中には、受注量が前年に比べ3割減や半減というようなケースさえ出てきています。このような売上減や取引先減少リスク増大に対する解決施策の一つとして販路開拓に取り組む企業が増えています。

 

2.販路拡大に有効な手段

ビジネスにおける販路拡大方法には様々なアプローチがあり、オフラインやオンラインの活用など多岐にわたります。

 

 

(1)展示会や見本市への出展

小規模事業者を一定数集めて国内外の大企業に対して直接売り込む「技術提案型商談会」というようなアプローチが考えられます。小規模事業者単独では、これまで全く取引のない国内外の大企業などと新たな取引に至るのは極めて困難であり、そもそも提案する機会さえないのが現状です。そこで、都道府県や経済産業局などの主導により、地域における小規模事業者を集めて都道府県の中小企業支援センターなどの支援機関が取りまとめる形で、国内外の大企業に対して、一定数の小規模事業者群が有する技術や製品等を提案する機会を設けることが有効と言われています。

例えば、石川県庁は、県の産業創出機構(ISICO)に県内の中小企業51業者を取りまとめさせて、トヨタグループと「技術提案型商談会」を実施しました。ISICOは県内51業者の中小企業とトヨタ本社の橋渡しの役割を果たし、トヨタ本社から指定されたシート(1社1枚)を用いて、何をトヨタグループに提案するかというブラッシュアップを、中小企業群と徹底的に行ったのが商談会成功の「鍵」といわれています。2日間の開催で延べ14件の商談が成立しており、約2000万円超の受注獲得につながりました。

 

(2)直接アポイント営業

近年注目を集めているのがビデオコミュニケーションツールと呼ばれるものです。ビデオコミュニケーションツールとは、オンライン上のビデオ通話を活用して商談や会議を行う方法です。通話形式で資料やお互いの画面を共有することができるため、対面営業と変わらない形でオンライン商談を行うことが可能です。ビデオコミュニケーションツールを活用して、見込み顧客と商談を行うことで、わざわざ外出する必要がなくなり、移動時間が短縮されることで大幅な業務効率の改善に繋がります。

 

(3)既存企業の紹介や、過去の取引先からの営業

新しい企業に入り込む時には、誰かに紹介してもらうのが得策です。取引先や仕入れ先などにあたって、新規の顧客開拓に入り込む余地がないかを常に考えておきます。取引先の紹介など、コネを利用することが重要になってきます。

ただし、いきなりいい話が舞い込んでくることなどないので、普段から取引先や仕入れ先と会う度に、「○○会社に入り込みたいのだけど、知り合いはいないですか?」などと、意識的に声がけをしておくことです。このようなことを繰り返していると、あるとき突如新規の顧客を紹介してもらえることもあります。つまり、日頃の種まきが大切ということです。

中小企業攻略で大切なのは、1回の仕事の先の部分です。その中小企業に採用してもらった商品が1つのパーツになり、大企業に納品されているなどということもあるからです。もしそれがわかれば、その先の大企業に対しても、何らか新しい営業の突破口が見出せる可能性が出てきます。だからこそ、中小企業を侮ってはいけないのです。新規開拓は、既存顧客の「その先」にもあることを覚えておきましょう。

 

(4)ダイレクトメール(DM)

見込顧客や既存顧客へのコミュニケーションの手段として使うあらゆる文書が“DM”です。気軽な手紙、自社プロダクトの詳細が掲載された小冊子や正式な提案書もDMに当たります。

DMは、「新規市場(顧客)開拓」「休眠顧客を掘り起こし」を目的としたコミュニケーション手段に活用されます。一般的にはDMの効果は、返信率5%(1000通郵送して50通問い合わせ)、見込顧客となる可能性はその半分(25通)です。

DMの要件は、①「ターゲット(リスト):誰に送るか」、②「オファー:何を特典とするか」、③「タイミング:いつ送るか」、④「クリエイティブ:何を、どのように伝えるか」と言われています。DMの肝になるのがその文章です。心を鷲掴みにする見出しを、本文は顧客にとって役立つ点やメリットを提示。そして、特色のある特典があると、なお良しです。他社との比較や、既存顧客の生の声や推薦の言葉など実例があると顧客にとっては「ここに頼めば大丈夫」という安心材料になります。

一方、DM作成時のNGリストも紹介しておきましょう。「見出しが商品名・サービス名になっている」「書き出しがあいさつ文になっている」「自己紹介からはじまる」「説明調の文章になっている」「文章にメリハリがない」などです。

 

(5)セミナーの開催

法人営業の販促活動の一環として、展示会出展やWeb施策に加え、セミナー・勉強会など自社開催のイベントを実施している企業が多くなっています。自社セミナーは、新規顧客への直接アプローチでき、既存顧客の営業フォローができる点からも、有効に活用すれば売上への貢献が大きいマーケティング施策です。しかし、漫然とセミナー実施をいるだけでは効果が上がらないだけでなく、「時間の無駄だった」「セミナーと言いつつ、ただのセールスだった」という悪印象を与えかねません。

BtoB企業の約半数近くが自社セミナーを開催したことがあるようで、自社セミナー開催は、かなりポピュラーな取り組みだと言えます。

新規案件獲得における自社セミナーが果たす役割は、次の3つです。

見込み客の獲得

最大の目的は「新たな見込み客の獲得」です。情報収集や検討初期段階の顧客といかに接点を持つか。この段階では、なるべく多くの顧客との接点を持つことも重要になります。

既存見込み客の育成

すでに獲得している見込み客を自社セミナーに呼び込むことで、自社の製品やサービスについて理解を深めてもらい、パーチェスファネル(顧客が購買に至るまでの心理プロセスの変化、AIDMAモデル)の先へ進んでもらいます。

見込み客のフィルタリング

直接対面してコミュニケーションを取ることができるため、ヒアリングできた予算・決裁権者・ニーズ・タイミングなどの詳細な情報を、セミナー後の商談プロセスへ活かすことができます。

 

(6)異業種交流などの交流会

ビジネスでは、自分がもっていないスキルをもつ異分野の人と組むことによって、相乗効果を得られるようになります。また、他業種の知識をもつことが、画期的なアイデアの創出に役立ちます。そのため、自分が属している世界とは違う人たちと交流を重ねるようにしたほうが、圧倒的に価値があります。そのためビジネスで人脈づくりを意識しているのであれば、必ず異業種交流会へ顔を出すようにしましょう。

異業種交流会に出席する目的はビジネスマッチングが基本です。自分が保有していないスキルを持つ人と組むことで新たなビジネスを創出したり、仲良くなって他の人脈を紹介してもらったりすることを期待しているのです。

なお、こうした異業種交流会へ参加するとき、一回の参加だけで完結する人がいます。ただ、実際のところ一回だけ会へ顔を出しても、何も得られるものはありません。何度も会に出席することで、「異業種交流会に出てまで人脈を広げたいと考えている意識の高い経営者や個人事業主」と仲良くなることです。そして、異業種交流会で営業活動して自分の商品やサービスの売り込みをするのではなく、人間関係を作ることだけを考えます。

 

 

 

(1)ネットショップ出店やECサイトの構築

ネットショップ(ECサイト)は、インターネット上でモノやサービスを取引することを指します。国内EC市場は16兆円まで拡大し、ネットを活用した販路拡大方法も多岐に及びます。

ECサイト構築の目的は、「新販路の開拓」「新顧客の開拓」「顧客ロイヤリティの確立」「顧客の生の声を収集」などであります。

全国のみならず海外まで商圏を拡大出来るネットショップですが、そのネットショップの開設方法は、「自社サイト型開設」「ショッピングモール型出店」の2つで、楽天やAmazon市場、Yahoo!ショッピングのように複数店舗を出店するのが典型的ショッピングモール型です。

楽天やAmazonなどのショッピングモールには、強力な“集客力”がある反面、自社独自のマーケティング施策がとり難しい傾向があり、モール内の価格競争に陥ってしまう場合があります。一方、自社サイトでは独自の施策、ブランディングができるメリットがあります。何故ならショッピングモール内では、ルールやシステムの縛りが多く、また全てをショッピングモールに委ねているため、自社の独自色や競合優位性を非常に出しづらいからです。

自社サイト型のメリットは、モール型と比べコストが抑えられます。また、お客様も”そのお店で商品を買った”という印象に残りやすいため、リピート客も作りやすいことが特徴です。反面、集客対策として、自社サイトを構築して運営をする際は、検索(SEO)対策を十分検討することが求められます。

 

(2)オウンドメディアやメルマガ、自社SNSによる情報発信

オウンドメディア(owned media)とは自分たちの所有しているメディアという意味です。つまり自分たちが主体的に情報発信できるメディアということでもあります。具体的にはホームページ、ブログ、メルマガ、YouTubeなど、自分たちが情報発信をコントロールできるツールすべてをオウンドメディアと総称でき、オウンドメディアの発信を効果的におこなえば、自社のブランディング、認知度・信頼性向上になり、結果的に顧客獲得、売上増大に繋がります。

オウンドメディアと繋がりの深い言葉として「トリプルメディア」というものがあります。トリプルメディアは企業マーケティングのメディア分類方法で、「オウンドメディア」「アーンドメディア」「ペイドメディア」の3つを合わせた呼称です。

アーンドメディア(=SNS)は、クチコミを通じて人々からの信頼や評判を獲得するメディアのことで、Facebook、TwitterやInstagramが代表的メディアです。アーンドメディアでは、プロのライターによるブログ・ウェブ記事の発信だけでなく、企業自身も同じ立場で発信することで情報の循環を作ることができます。また、ペイドメディア(企業広告)はディスプレイ・バナー広告やリスティング広告が代表的メディアになります。

最近では、金属加工など中小企業でもYouTube動画を活用して製品の認知度アップに繋げているようです。部品の製造過程を見せることで、加工精度や品質、外観が顧客に一目で伝わります。まさに、「百閒は一見にしかず」です。

 

(3)ビジネスマッチングサービスの利用

ビジネスマッチングとは、平たくいえば、企業と企業の出会いを演出する、いわば企業同士のお見合いです。このお見合いに対するニーズが近年特に高まっています。

ビジネスマッチングの代表的なものとしては「新しい商材を探している企業(発注側)と、自社商材の販売先を探している企業(受注側)」「新規の営業エリアを開拓しようとしている同士」「事業の売却を考えている企業と、新規事業を手に入れたいと考えている企業」「税理士やコンサルタントなど、互いの外部専門スタッフの紹介」などが挙げられます。

ビジネスマッチングサービスの具体的事例を2つ紹介します。1つは、人材のマッチングです。大阪を中心とした製造業で高い技術を持つ中小企業に対し、技術と経験豊富な大手企業OBがコーディネーターとして、中小企業の組織的・技術的課題の解決のためのコンサルティングとビジネスチャンスの創出をプロデュースしています。アイデアの具現化や技術を活かすためのあらゆるアライアンスの経験や知識を活かし、ビジネスチャンス創出という視点でスクリーニングし、年間200件以上のビジネスマッチングを成立させています。

もうひとつは、東南アジアでの販路開拓・ビジネスマッチングです。あるメガバンクの国際営業部では、東南アジア市場へ進出・海外工場建設など同じような悩みを抱える企業を募集し、調査や商談会、テストマーケティングを共同で実施することにより、比較的安価に、販路開拓に必要な情報・経験を提供しています。

 

3.販路拡大の事例

 

sales channels

  

銀系抗菌剤専業の老舗メーカーへの営業を中心に1年半かけて取り組みました。

この会社の営業スタイルは典型的な“引き合い営業”で、実質営業マン6名で国内、欧米・アジアまで広範にカバーしていました。

しかし、代理店コントロールができておらず、案件は非常に多いが“多産多死”状態(案件受注率5%)となっていました。顧客構成も8:2で圧倒的に小口需要が多く、非効率の営業にならざるを得ない状況にありました。いち早く、“受け身的”営業から“能動的”営業へ転換が迫られていました。

 

そこで、“狙い撃ち型”営業(先にターゲットを決めてから営業活動へ)の導入・試行を実践しました。

まず、販路拡大するターゲットは「医療福祉市場」と定め、業界・市場動向分析を行い、医療福祉市場の全体像と抗菌剤用途市場を構造化し、仮説的重点市場(カテーテル、創傷被覆剤や床剤・クロス/壁材などの医療介護建材)を設定しました。

次に営業マンと戦略コンサルタントが分担し、顧客の生の調査を実施しました。

実際には、カテーテルメーカーのテルモや医療建材のトップメーカー戸田建設など7社へヒアリングを行い、医療現場の実態、抗菌剤のニーズ、抗菌剤導入の可能性と課題が明らかになりました。

そして、市場性評価と重点顧客の評価選定し、営業マンに同行し営業活動を支援しました。

交渉シナリオを描きリスク・リターンを助言しながら、ついに抗菌カテーテルF社と独占販売供給締結を勝ち取りました。

その顧客パートナーとは現在も継続しており、“プラチナ顧客”となっています。

 

 中堅情報処理サービスベンダーでは、大手ITベンダーからの二次請負型情報システム開発のウエイトが高く、売上高低迷と慢性的な低収益構造からの脱却が経営課題となっていました。また、2年先の創業40周年を期に、東証二部上場を計画していました。

そのような中で、「中期3カ年経営計画の策定と現場への落し込み」を皮切りに、「PDCAマネジメント導入・実践」「コーポレートガバナンスと経営機構の改革」「IPO支援」など多岐に渡る施策を実行しました。

中でも、事業構造改革と高収益型ビジネスモデル設計・実践の目玉として、「上流ソリューションビジネスの事業開発」に力を入れました。

特に、この会社では、長らく二次請負に甘んじてきましたが、プライム(元請)案件の拡大強化は急務でした。また、情報システム開発の要件定義は、業務プロセス改革、更に経営問題解決で決まってくると言われます。現在のビジネスポジションを“下流”から“中流”・“上流”まで関与していくことが重要課題でした。

 

そこで、“上流&プライム”案件の販路開拓を目的とした全社横断組織「Jプロジェクト」を立ち上げました。

まず、“上流&プライム”事業開発構想を描き、重点プロスペクト30件を抽出し、プライム顧客開拓と上流ソリューション(経営とIT統合コンサルテーション)の提案を行い、短期間で可能性化検証を実施しました。

次に、上流ソリューションビジネスを推進する事業開発部門(KeyCOMPASS)を発足、戦略コンサルタントとして半年間伴走しながら支援・指導を行いました。

 

実施したことは、上流&プライム案件開拓のための営業ライフサイクルとプロセスの設計および営業シーンで利活用する各種営業ツールの開発と実用化を促進しました。「経営とIT診断サービス」「役員向け経営とITセミナー」「テーマ別ワークショップ(内部統制、セキュリティなど)」「CIO企業研究会」等々です。そして、実際にKeyCOMPASSメンバーに営業同行しながら、顧客のニーズ把握、ソリューション提案、説得(顧客企業の経営会議でのプレゼン)、クロージングを実践し、手取足取りでの指導を行い、コンサルティング営業の考え方やノウハウ・スキルをその会社のキーとなるメンバーへ移植しました。

 

 

4.まとめ

販路を開拓するためには、まず自分がどこにいるのか、市場でどういう立ち位置にあるのかを見極めて、どちらに向かっていけばよいかの戦略をたてることが第一歩となります。

方向性を明確にしたうえで、販路開拓にかけることが出来る営業予算を考慮しながら、自社にとって有効だと思われる方法を選定します。専門家のアドバイスや営業コンサルティングを受けたり、政府機関や財団法人の支援や助成金を受けるのも有効です。ぜひ今回紹介した手法の中から、自社にフィットする販路拡大・販路開拓の方法を見つけてみてください。

 

タクウィルは販路拡大を支援します

 いかがだったでしょうか。

具体的な事例も交えて販路拡大についてご紹介いたしました。

しかし、すぐに社内で販路拡大に踏み出そうとしても障壁をすぐにクリアすることは難しいです。

タクウィルは、そのような販路拡大を支援いたします。下記に資料のリンクございます。


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