【株式会社ベリサーブ様】営業支援/顧問紹介サービス(「戦略の壁打ち」から、大手との取引まで)
自社の技術には、確かな実績がある。
ただ、そこから先の新しい領域へ事業を広げようとするとき、何をどの順番で進めればいいのかは、社内の誰も通ったことのない道になります。
ソフトウェア品質保証を軸に事業を展開するベリサーブ社が、2年前に向き合っていたのは、その問いでした。
人材を軸としたビジネスから、プロダクト・ソリューションを軸としたビジネスへ。構想はありました。
一方で、常駐型とは前提が違い、最初に価値と強みを明確にしなければ買っていただけないという難しさがあり、その視点を持つ人材は社内に多くありませんでした。
営業戦略・マーケティング戦略を含めて相談できる相手を探していた——それが出発点でした。
この2年間、その傍らには鈴木研顧問がいました。
戦略の壁打ちから始まった関係は、進め方の設計や資料の見せ方といった実行にまで広がり、やがて自分たちだけではリーチできなかった大手企業のキーパーソンとの接点づくりへ。現在は、そこから具体的なビジネスが生まれています。
事業責任者の早矢仕氏と鈴木顧問。二人の対話から、この2年で「何が変わったのか」を振り返ります。

株式会社ベリサーブ 常務執行役員 ソリューションデザイン本部 本部長 サイバーセキュリティ本部 管掌 早矢仕 和佐
顧問 鈴木 研
第1章|「新しい領域に伸ばしたい」——出発点にあった悩み
始まりは約2年前、一つの相談でした。
当時のベリサーブ社は、顧客先に常駐して業務を担うかたちのビジネスを主軸としていました。
現場できちんと成果を出せば、仕事は自然と増えていく。長く続けてきた、確かな強みです。
ただ、そこから先へ踏み出したいという想いがありました。これまでとは別の領域へ、事業を伸ばしていく。
それが早矢仕氏の構想でした。
(早矢仕氏)もっと営業組織をしっかり作っていかなければいけない、と考えていました。
品質テストという領域から、それ以外の領域へビジネスを伸ばしていく。
そこをどう進めるか、営業戦略・マーケティング戦略を含めて相談できる相手を探していました。
新しい領域には、たくさんの選択肢があります。その中から絞り込んでいく作業は、それ自体が難しいものです。
そんなとき、弊社エスプールブリッジを通じて出会った方が鈴木顧問でした。
第2章|「戦略相談」のはずが、実行まで動いてくれた
最初に早矢仕氏が感じたのは、良い意味での「予想外」だったといいます。
当初は戦略の相談相手、いわば壁打ちの相手をイメージしていました。ところが鈴木顧問の動きは、そこにとどまりませんでした。
(早矢仕氏)当初は戦略について相談できる方という認識でしたが、実際には仕事につながるご縁まで作っていただき、大変心強く感じました。
鈴木顧問のスタンスは一貫していました。
「構想は、早矢仕氏の中にある」。それをヒアリングし、実現に足りないネットワークを補っていく、という関わり方です。
(鈴木顧問)戦略や構想は、早矢仕さんがしっかり持っていました。
だから外部の私が出せるお役立ちがあるとすれば、早矢仕さんがまだ体験していない話や、私自身の経験をお伝えすること。
それをお伝えすると、早矢仕さんがまた自分の中でアクションとして考えてくださる。その繰り返しでした。
壁打ちだけなら、早矢仕氏一人でもできてしまうかもしれません。
鈴木顧問が加えたのは、その構想を「誰と繋ぐか」という一手でした。構想に応じて、大手企業のエグゼクティブや、勢いのあるベンチャーと引き合わせていく。
人と市場を繋いでいく関わり方です。
(早矢仕氏)「こういうことをやりたい、でもこれがうまくいっていない」
そういう話に対して、鈴木さんの人脈を繋いでいただいたり、商談や打合せに同行していただいたり。自分たちだけでは直接リーチできない、大手企業のキーパーソンと引き合わせていただけたんです。
外部の人脈だからこそ、動けることがある
ここには、長く事業を続けてきた会社ならではの事情があります。
(鈴木顧問)ベリサーブ社は、多くの方々の長年の実績で、既存ビジネスがしっかりしている。
一方、新規のきっかけを作るということであれば、私のような外部の人間が自分の知り合いに話を持ち込むほうが、身軽に動けるんです。
社内の人脈は、既存事業と地続きです。そのため、新規事業はどうしても慎重にならざるを得ません。
外部の顧問が持つ人脈は、その制約の外側にあります。
第3章|この2年で変わったこと
「2年前にはできなかったけれど、今はできる」。早矢仕氏の言葉をたどると、その変化は大きく二つにまとめられます。
変化その一|自社の強みが、言葉になった
プロダクト・ソリューションのビジネスには、常駐型のビジネスとは違う難しさがあります。
(早矢仕氏)常駐は、現場できちんとやっていれば仕事は増えていく。
でもプロダクトになると、最初に、価値や他社に対する強みが明確でないと、お客様に購入を決断していただけない。
自分たちがお客様にどうお役立ちするのか。そこが漠然としたままでは、売れないんです。
そして、その「明確にする」という視点自体が、社内にあまり無いものでした。
強みや差別化、いわゆるUSPをどう定めるか。これは多くの企業が直面し、そしてつまずくところでもあります。
鈴木顧問は、それを本質から繰り返し、言語化していきました。
(早矢仕氏)毎回、同じことを口が酸っぱくなるくらい言っていただきました。でも、本質の部分をちゃんと教えてくださる。
「こういうアクションをしましょう」というオペレーションの話だけではなく、「なぜそれをしなければいけないのか」
数字を上げること以上に、お客様の役に立つこと、それが事業継続に必要だと。
そこから話をしてくださるので、すごく腹に落ちやすいんです。
言葉にできたことで、早矢仕氏自身が変わりました。
自信を持って社内外に語れるようになり、それは組織にも伝わっていきました。
(早矢仕氏)「こうやっていいのかな」と思っていたところを、ちゃんと背中を押してもらえる。
言語化して、こうやっていくんだと言ってくださる。だから自分も自信を持って進められる。それを社内のメンバーにも、分かりやすく共有できるようになりました。
鈴木顧問は、自分が前面に立ってUSPを規定したわけではない、と言います。
(鈴木顧問)私はそんなに明確には言っていないんです。
早矢仕さんが吸収される方だから。私はお膳立てをするだけ。実際に定めていくのは、早矢仕さんご自身です。
変化その二|大手企業への「入り方」が変わった
もう一つの、そしておそらく最も大きな変化。それは、大手企業へのアプローチそのものが変わったことです。
(早矢仕氏)それまでは、展示会に自分たちのサービスパネルを出して、来場して名刺をくださった方に、後から営業が連絡する。
それがメインでした。「一件ずつ地道に積み上げていく」やり方です。
でも、大手企業のキーパーソンをご紹介いただいて、そこからアプローチできるようになった。
それまでとは全然違う営業の入り方ができるようになりました。
なぜ、「エグゼクティブから入る」やり方が効くのか。
鈴木顧問の説明は、この事業領域そのものの「分かりにくさ」から始まります。
(鈴木顧問)ソフトウェアの検証という領域は、開発の中の一部ではあるけれど、開発そのものではない。
だから業界の外にいる方には、それが独立したビジネスとして成り立つということ自体が、なかなか分かりづらいんです。
「開発会社でもないんだよね」と。ソリューションの説明から入っても、その必要性まで理解していただくのは難しい。
だからまず、エグゼクティブ同士で話す。その関係から始めれば、だんだん本質に近づいていける。一発でそこを狙うのは、大手営業でも難しいんです。
人脈のエグゼクティブ・リレーションから入ると、時間はかかっても、確実に近づいていけます。
象徴的だったのが、ある大手企業との関係づくりです。
もともと具体的なターゲットとして定めていた相手ではなく、入り口すら、なかなか見つからなかったといいます。
(鈴木顧問)最初はご挨拶に伺うところから。
そこから、少しずつリレーションを取りながら、先方をベリサーブ社の拠点にお連れするなど、アテンドを重ねて、関係を深めていきました。
その積み重ねで、ある方がメンバーをすごく信頼してくださって。
ただし、接点を作ることと、そこからビジネスを立ち上げることは別の話です。
鈴木顧問が繰り返し口にしたのは、受け手側の実行力でした。
(鈴木顧問)実は、カスタマープランの作り込みがすごいんです。
早矢仕さんのところに優秀なメンバーがいらっしゃって、その方たちとしっかりしたプランを作ってくれている。
組織図もネットワークチャートも、言語化してある。アクションまで落とし込まれている。言うのは簡単ですが、しっかり実行していく能力を持った人たちがいます。
現在、その大手企業はもう鈴木顧問の手を離れています。
早矢仕氏自身が先方のエグゼクティブと信頼関係を築き、どうビジネスに繋げるか、という段階まで進みました。
(鈴木顧問)今はもう、私は関係なく、早矢仕さんやベリサーブ社の皆さまが先方のエグゼクティブと信頼関係を築いている。
接点は私が作りましたが、その後は早矢仕さんたちの力です。当たり前のことではありますが、素晴らしいと思います。
第4章|受け身ではない伴走者
顧問の支援は、多くの場合「聞かれたら答える」形をとります。
課題を持ち込めば、経験に基づく答えが返ってくる。それ自体は十分に価値のあることです。
鈴木顧問の関わり方は、そこから一歩、踏み込んでいます。次の打ち手を起案しているのが、鈴木顧問の側であることも少なくありません。
象徴的だったのが、定例ミーティングでのやりとりでした。
早矢仕氏が「あるパートナー企業から、うちのソリューションが高く評価されている」と報告する。相談ではなく、ただの近況共有のつもりでした。
ところが鈴木顧問は「それは横展開できるのではないか」と返し、数週間後には、大手コンサルティングファームとの面談が組まれていました。
(鈴木顧問)早矢仕さんたちのソリューションが、あるパートナーさんにすごく認められている、という話を伺って。
じゃあ、それって横展開できるじゃないですか、という話をして。あれは結構エキサイティングでした。
すごくいいものを持っている。あとは、その見せ方とか、認知をどうさせるか。だったらそこに行きましょうか、と。
同じ姿勢は、細部にも現れます。
商談に同行し、先方へ「ベリサーブさんはこういう会社なんですよ」と伝えておく。
仕事の予定がなくても、カジュアルなネットワーキングをアレンジする。どちらも、依頼された動きではありません。
(早矢仕氏)我々が初めましてで行くよりも、
鈴木さんが「この会社とは、実際にこういう仕事をしているんだ」と言ってくださると、説得力が違う。
最初に信頼していただけるところが、まったく違うと思います。
この関わり方は、早矢仕氏にとって「関係の続け方」そのものの学びにもなりました。
紹介して終わりにしない。仕事がなければ疎遠になる、という付き合い方ではない。
(早矢仕氏)鈴木さんの関係の築き方は、仕事がなければ、だんだん疎遠になってしまう、そういう付き合い方ではないんですよね。
ご紹介いただいて、関係性をずっと続けていく中で、お互いにメリットがあれば、仕事をすればいい。
逆に、そうしていいんだ、と。それはすごい学びでした。今は鈴木さんが隣にいてくださるので、そういう関係の築き方も相談できる。
自分一人ではできないところを、相談させていただいています。
目指すところは、当然ながら事業の成長です。
そこへ至る道筋として、鈴木顧問が重ねているのが、人との繋がりをつくることでした。
(鈴木顧問)私がやっているのは、早矢仕さんたちの、いい繋がりを作ろうとすること。
早矢仕さんたちが事業変革をするための、伴走者のような存在でありたいと思っています。
本当に良いものを持っている。それは大前提としてあります。
だから私は、その事業構想や良いものと、人をどう繋いでいくか。そこにポイントを置いていました。
また繋ぐことで、先方に新しい気づきを与えられて、ご紹介したお客様にも喜んでいただける。それがまた、楽しいです。
第5章|AIが答えられること、答えられないこと
いま、事業の悩みをAIに壁打ちすることは珍しくなくなりました。
その中で、経験を積んだ人に相談することの意味はどこにあるのか。早矢仕氏は、その線引きを明確に持っています。
(早矢仕氏)AIが答えてくれる話って、ある意味、本を読んでも変わらないんです。書いてあるところを抽出して、教えてくれる。
一般的に正解と言われていることを知るには、それが一番早い。
ここが出発点です。一般解を手に入れることは、もう難しくない。難しいのは、その先です。
(早矢仕氏)でも、現実世界で戦うときには、微妙な差分から生まれる悩みがある。
そこはやっぱり、同じような経験を積んで、それをどう乗り越えたかを知っている人でないと難しい。
同じ業界、同じ規模、似た事業でも、条件が少し違えば打ち手は変わる。
その差を判断するには、似た状況を実際に通ってきた人の経験が要ります。
そしてもう一つ、AIに渡しきれないものがあります。「自分たちが置かれている状況そのもの」という情報です。
言葉になっていない情報、と言い換えてもいいかもしれません。
(早矢仕氏)どうしても、コンテクストに入れられる限界ってあると思うんです。
私が全部、必要な情報を入れられればいいのですが、三次元の情報をいかにコンテクストにできるか。そこまではできないので。
たとえば「大手企業にアプローチしたい」という相談に、AIは的確な一般解を返すでしょう。
キーパーソンの特定、価値提案の設計、接点の作り方。どれも間違ってはいません。
前提を丁寧に書けば、AIはより的確な答えを返します。
ただ、その前提をどこまで書けば足りるのかが分からない。大事なのは、たとえば目の前のキーパーソンがどんな人柄で、何に関心を持つ人なのか、といった情報です。
そうした情報は書き出せばきりがなく、そして書き漏らしたものこそが、判断を左右することがあります。
(早矢仕氏)我々がどういう企業で、どういうお客さんに、どういうところにアプローチしたいのか。
その背景まで理解して、ピンポイントに察していただける。経験者の方との対話は、私にとってすごく価値が高いです。
私というパーソナリティも理解した上で、私の悩みを聞いてくださる。そこに、すごく価値を感じています。
鈴木顧問も、同じ境界線を見ています。
(鈴木顧問)AIに限界があるとしたら、0か1ではない世界。
責任を負うこと、人間のインスピレーション、フィジカルな部分。そこはまだAIではできない。
逆に言えば、AIをうまく使う発想がある人にとっては、AIと人間の意味は離れていかないと思います。

第6章|これから、そして同じ悩みを持つ方へ
対話の終盤、話は「これから」へと向かいました。
新しいAI領域のサービス、エンタープライズへの展開、パートナーとの連携。早矢仕氏の構想は尽きません。
鈴木顧問は、その先にも役割を見ています。
(鈴木顧問)勝手な思いですが、勢いのある若い開拓者たちを、これからご紹介したいと考えています。
AI開発の領域で、常識にとらわれない発想で動く若い方たちがいるんです。ベリサーブ社を中心に置いて、その周辺に動きのいい人たちを固めていく。それができる気がしています。
会社自体がしっかりしているから、そういう方々をうまく活かせるはずなんです。
新しい領域へ事業を広げたい。構想はある。けれど、どの順番で進めればいいのか、誰に届ければいいのかが分からない。
かつての早矢仕氏と同じ問いを抱える事業責任者は、少なくありません。
必要なのは、一般的な正解を教えてくれる相手ではないのかもしれません。
自分たちの固有の事情を理解した上で、構想と人・市場を繋ぎ、時間をかけて伴走してくれる存在。
この2年のベリサーブ社の歩みは、そのことを伝えてくれています。